韓国でモバイル住民登録証の発行を可能にする「住民登録法」改正案の施行を前に、行政安全省は26日の閣議で発行手続きやセキュリティー対策を含む具体的な詳細を規定した「住民登録法施行令」改正案が承認されたと発表した。
今後、住民登録証を実物として持ち歩かなくても、スマートフォンに保存することで簡単に本人確認ができるようになる。12月27日から住民登録証の発行を受けた17歳以上の韓国国民は、希望すればモバイル住民登録証を追加で申請できるようになる。モバイル住民登録証と実物の住民登録証はどちらも有効に使用可能だ。
モバイル住民登録証は、居住地の洞などにある住民センターで、1回限りのQRコードを撮影して発行を受ける形式だ。申請後すぐに発行が可能だが、スマートフォンを買い替えた際には住民センターで再発行してもらう必要がある。
また、実物の住民登録証をICチップ内蔵型に切り替えた場合、住民センターに行かずにモバイル住民登録証を直接発行できる。ICチップ内蔵型住民登録証は、利便性向上を目的に新たに導入された実物の住民登録証であり、住民登録証の発行申請時にICチップ入りを発行可能だ。
ICチップ内蔵型住民登録証を所持する人は、この住民登録証をスマートフォンに接触させることでモバイル住民登録証を発行できる。スマートフォンを買い替えた場合でも、ICチップ内蔵型住民登録証があれば住民センターへ行かずに再発行が可能だ。
17歳で初めて住民登録証を携帯する人には、ICチップ内蔵型住民登録証を無料で発行する措置が取られる。2025年に初めて住民登録証を発行される対象者(2008年生まれ)は46万8773人とされている。
行政安全省は、モバイル住民登録証の導入にあたり、個人情報の漏洩や不正使用への対策として、ブロックチェーンや暗号化などの高度なセキュリティー技術を適用した。モバイル住民登録証は本人名義のスマートフォン1台のみで発行が可能で、最新のセキュリティー技術に対応するため、3年ごとに再発行を受ける必要がある。
スマートフォンを紛失した場合、モバイル住民登録証の効力を停止することで不正使用や個人情報の漏洩を防ぐ計画だ。紛失の届け出は、最寄りの住民センター、モバイル身分証専用ウェブサイト、または専用コールセンターを通じて受け付ける。
行政安全省はモバイル住民登録証の安定した導入に向け、9つの自治体を選定し、12月27日から約2カ月間の試験発行を実施する。その後、全国でモバイル住民登録証を発行する計画だ。試験運用を実施する自治体は▽世宗(セジョン)市▽京畿道高陽(キョンギドコヤン)市▽全羅南道麗水(チョルラナムドヨス)市――などだ。
イ・サンミン行政安全相は「1968年11月21日に初めて住民登録証を発行して以来、56年を経て実物形態を脱し、モバイル住民登録証という形で革新を遂げた。試験発行期間中に改善点を洗い出し、全ての国民が安全かつ便利にモバイル住民登録証を利用できるよう最善を尽くす」と強調した。
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