韓国のビューティー業界が、価格を抑えた実用性重視の製品ラインを次々と展開し、新たな市場で大成功を収めている。ロードショップブランドの店舗数が減少する一方、ダイソーやオリーブヤングといった多様な販売チャネルでの展開が功を奏し、売り上げを伸ばしている。
トレンドに敏感で合理的な消費を重視する若年層をターゲットに、化粧品やビューティーデバイスがより軽量・低価格化されている。愛敬(エギョン)産業のルナは、Z世代やアルファ世代向けの新ブランド「Twoedit by LUNA」を発売した。ダイソー専売で価格帯を2000~5000ウォン(約220~550円)に設定し、手ごろな価格で高品質な商品を提供している。エギョン産業のA-Solutionも、昨年から低価格で容量を抑えたスキンケア商品をダイソーで展開し人気を集めている。
APRは「Booster Pro Mini」を発表した。既存製品の「Booster Pro」の主要機能を残しつつ、サイズと価格を大幅に抑え、特に10~20代の若者層をターゲットにした。オリーブヤングに展開し、新規顧客層を開拓している。一世代前のロードショップブランドも、新たな販売チャネルでの成功により復調している。
トニーモリ―は、ロードショップ店舗数を減らした一方で、ダイソーに展開した「BONCEPT」シリーズが9月時点で累計販売数100万個を突破した。特に低刺激かつコストパフォーマンスの高いレチノール製品が話題を呼び、品切れが続出している。トニーモリ―の2024年第3四半期の売上高は450億ウォン(約49億7000万円)、営業利益は38億ウォン(約4億2000万円)で、前年同期比22.2%と58.6%の増加を記録した。
ビューティー業界が、消費が減少する中で製品の価格を抑える戦略に注力している背景には、新規顧客層へのアクセスがある。ダイソーのような店舗に商品を展開することで、多くの消費者に手軽に製品を試してもらう機会を提供している。
愛敬産業関係者は「価格を抑えることで新たな販売チャネルへの展開が可能になり、消費が減少する状況下でもアクセス性を高めることが重要だ」と述べた。
(c)MONEYTODAY