韓国で大学修学能力試験(修能)が実施された14日、韓国の教育行政サービス「ナイス(NEIS)」に接続障害が発生し、関係者をはらはらさせた。
修能は日本の大学入学共通テストに相当する試験。日本をはるかに上回る学歴社会の韓国にあって、修能は受験生の進路や大学の合否を大きく左右するため、試験当日は受験生のみならず、家庭や社会全体もピリピリした雰囲気に包まれる。
京畿道(キョンギド)教育庁によると、この日午前7時ごろ、ナイスの接続障害が報告され、緊急の修復作業が実施された結果、午前8時20分ごろに復旧が完了したとされる。
ナイスは韓国の全国17の市・道教育庁と約1万2000の小・中・高校で、成績や生活記録簿などの教務および行政業務に使用されるシステムだ。修能当日は身分証を忘れた受験生が試験会場で生活記録簿にアクセスし、身元確認する際にも利用される。
ナイスシステムのサーバーは各市道教育庁がそれぞれ管理しているとされ、教育省は昨年の行政ネットワーク障害の後、2023年11月にナイスの特別点検を実施していた。
京畿道教育庁は、修能試験会場への入場締め切り時間までにナイスが復旧したため、試験を受けられなかった受験生はいなかったと発表した。教育庁は、身分証を忘れた受験生が支障なく試験を受けられるよう、試験会場で臨時の身分証代用書類を発行するよう指示して対応したとされる。さらに、ナイスシステムで生じた問題の原因は今後の点検で確認する。
また、京畿道教育庁は混乱を最小限に抑えるため、各修能試験会場に「evpnサービスでの迂回接続が可能だ」と通知し「修能運営に支障はない」と案内した。
さらに「迂回接続が不可能な場合は臨時の身分証代用書類を発行し、受験生が試験に支障なく臨めるよう対応せよ」と試験会場に指示した。
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