16日午後10時20分、ソウル地下鉄2号線新道林駅。警察官2人が酔って眠る40代の男性乗客を揺すり起こし、「大丈夫ですか? 起きてください」と声をかけた。周囲には強いアルコールの匂いが漂っていた。新道林駅センター警察官のパク・スンジェ氏は「酔った乗客は携帯電話などの所持品を落としやすく、他の乗客とのトラブルに発展することもある。犯罪予防のためにパトロールしています」と話している。
ソウル警察庁地下鉄警察隊は、9月から夜間の地下鉄車内パトロールに取り組む。18人の警察官が2人1組で平日午後10時から11時半まで、地下鉄1号線から9号線の全路線を巡回している。新道林駅や鍾路3街駅など、特に9つの拠点で夜間車内パトロールを実施している。
地下鉄警察隊の分析によると、今年上半期の地下鉄犯罪のうち、午後10時から午前0時までの時間帯が全体の13.8%と最も多く、特に車内での発生率が高かった。この日も新道林センターの警察官は新道林駅から牛耳山駅まで2号線と5号線を往復し、混雑する車内での防犯活動を展開した。
パトロール中、乗客は警察官の姿に関心を示し、スマートフォンを一旦置いて警察官の動向を見守る様子が見られた。途中、警察官は若い男性が寝込む様子や、酔って隣の乗客にもたれかかる乗客に注意を払ったりしていた。
深夜の巡回について、市民からは「警察官のパトロールのおかげで安心できる」「特に女性の帰宅時には大きな助けになる」との声が上がっている。実際、夜間パトロール開始以降、地下鉄での112番通報件数も前月比31.9%減少したという。
地下鉄警察隊のキム・ギチャン安全課長は「事後の検挙も重要ですが、犯罪を未然に防ぐことに重点を置いています。今後も深夜の犯罪多発時間帯における車内パトロールを継続し、1000万人の市民が安心して地下鉄を利用できるよう努めていきます」と語った。
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