誰もがロボットを所有する時代が近づいている。200万~300万ウォン(約22万~33万円)で個人が簡単に購入・利用できる生活支援ロボットが増加しており、スタートアップに加え大手企業も新たな未来市場に備えた動きを見せている。歩行支援や家での話し相手など、機能は多様化している。
◇300万ウォン台のウェアラブルロボット
韓国のウェアラブルロボットのスタートアップ「ウィロボティクス(WIRobotics)」は今年4月、歩行補助用ウェアラブルロボット「WIM(ウィム)」の一般消費者向け(B2C)製品を発表した。歩行運動をサポートし「一人一台ロボット」を目指して開発された。
WIMは軽量化と利便性を追求し、わずか1.6kgしかなく30秒で装着が可能だ。装着後は約2時間、膝を支える形で歩行を助け、負荷をかけて運動効果を高めることもできる。
ロボットは歩行状態を計測し、歩行習慣を確認することも可能だ。ビッグデータを基に、利用者の筋力やバランス、姿勢などの歩行指標を収集・分析し、専用アプリで歩行の改善点や運動の提案が提供される。価格は319万ウォンだ。
一方、今年3月に上場したウェアラブルロボット専門企業「エンジェルロボティクス(Angel Robotics)」も日常用ウェアラブルロボットの発売を控えている。股関節と膝をサポートし、歩行能力と安定性を高める製品で、今年中に発売予定だ。
◇屋内を動き回るロボット、来年発売
介護ロボット企業「ロボケア(ROBOCARE)」は来年発売予定の家庭用ロボット「ケミフレンズ」を発表した。ケミフレンズは高さ約30cm、重さ4kgの軽量設計で、家で飼い犬のようにユーザーについて回ったり、出かける際に見送ったり、帰宅時に出迎えたりする。また、ユーザーが危険な状況に陥ると検知して、親族や救急隊に緊急通知を送る機能もある。
ロボケアはこれまでに蓄積したロボットの介護用コンテンツをもとに、認知症やうつ病など高齢者の疾患を予防する機能も提供する。来年上半期に少量生産し、下半期から本格的な販売が始まる予定で、価格は200万~300万ウォン前後とされている。
サムスンやLGなどの大手企業も、すでに家庭用アシスタントロボットを発表している。サムスン電子は今年、国際的な展示会でAIホームコンパニオン「ボリー」を紹介。ボリーはユーザーの生活パターンを学習し、日常のさまざまな不便を解消し、外出中の家の安全管理をする「執事」のような役割を果たす。発売時期や価格はまだ公表されていない。
LG電子も今年初め、スマートホームAIエージェント(コードネームQ9)を公開した。Q9は脚のような関節と車輪を備え、段差を乗り越える機能を強化。家でユーザーと会話し、スマートホームハブとして家電やIoT機器をつなぎ制御する。
LG電子はデンマークで開かれたロボットに関する会議「ROSCon 2024」にも参加し、Q9を紹介。また、外部開発者がQ9の機能を活用したアプリを開発できるよう、ソフトウェア開発キット(SDK)も公開しており、製品は来年発売予定だ。
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