韓国のアルコール政策履行水準が世界保健機関(WHO)基準にはるかに及ばないという研究結果が出た。アルコール中毒治療プログラムが細かく組まれていない▽酒の販売時間に制限がない――などによって点数が削られた。
学術誌保健社会研究第44巻3号に掲載された論文「WHOアルコール政策総合指標を活用した国内アルコール政策評価」によると、研究チームはWHOのアルコール政策総合指標を基準に国内アルコール政策に点数を付けた。
WHOのアルコール政策総合指標は▽リーダーシップ・認識・履行▽医療サービスの対応▽コミュニティ行動▽飲酒運転対策▽アルコールの入手可能性▽アルコール飲料のマーケティング▽価格政策▽違法なアルコールの公衆衛生への影響の削減▽監視と調査▽若者のアルコール使用の予防と削減――という10の中心的指標と、34の詳細な指標で構成されている。
これにもとづき、研究チームが国内飲酒関連法規やアルコール政策関連データを評価した結果、地域社会を基盤とした飲酒による弊害からの予防活動(47.06点)、酒類利用可能性制限(51.60点)、酒類マーケティング規制(56.25点)などの指標で政府の対応が不十分だと評価された。
具体的に「コミュニティ行動」指標を見ると、学校に対する政策と介入は適切になされているが、職場に対する飲酒問題予防や相談と関連した政策は制度化されていない。また、中毒管理統合支援センターも基準に満たないことがわかった。
「アルコールの入手可能性」指標を見れば、酒類の販売時間に対する制限規定がないという点、場所制限(サービスエリアなど)が部分的だとして点数を得られなかった。
TV・印刷物・インターネットなどでの酒類広告規制、TV・映画製作酒類製品配置制限などを細部指標とした「アルコール飲料のマーケティング」は、該当メディアで制限がなかったり、部分的だったりする点で評価が落とされた。
最も低い点数を受けた指標は「医療サービスの対応」で、30.00点だった。性別や年齢によって対象を区分したアルコール中毒治療プログラムがない▽選別検査と短期介入をする一次保健医療提供者の割合に対する統計がない――などが点数に反映された。
飲酒運転対策は77.27点で普通水準の評価を受けたが、若い層や初心者の運転者のための血中アルコール濃度規定が詳細ではなく、詳細な指標で点数を得られなかった。
このほか、価格政策(65.17点)、違法なアルコールの公衆衛生への影響の削減(70点)などの項目も改善が必要であることがわかった。
(c)NEWSIS