ソウル大医学部が9月30日、韓国の医学部で初めて、学部生の集団休学を承認したことで、大学関係者の間で波紋が広がっている。ソウル・地方を問わず、医学部がある大学の学長らは、休学と関係なく、医学生が復帰しても2倍以上の学生が1年生の授業に殺到し、学習空間と教授陣に支障が避けられないと予想している。
ソウル大医学部生らは韓国政府の「医学部定員増員」政策に反発して集団で休学を申請した。休学の規模は約700人。学生らは定員増政策により医師の供給が過剰になることを懸念し、授業ボイコットや休学という対抗措置を取っている。
学生らの行動に対し、ソウル大が韓国政府の「休学不可」方針に反して学生らの休学を承認したため、教育省は今月2日、監査団を組織して、ソウル大に対する厳格な監査を進めている。
現状のような医学生の未復帰が続けば、来年1年生の授業を受けなければならない学生は全国で新入生4500人、今年の入学生3000人を合わせて7500人余りになると予想される。一部大学のように入学定員が2倍以上増加する大学の場合、こうした問題がより大きく感じられるとみられる。
ソウルのある私立大学学長は「ほとんどの大学が余裕のあるスペースを確保できず、採用する教授がいない。増員ができなくても教えるのが大変だ。来年はもっと大きな問題になる」と苦言を呈した。地方私立大学学長は「講義スペースはわからないが、2倍に膨れ上がる学年では問題が発生するだろう。休学しても休学しなくても状況は同じようなものだ」と述べた。
教育省は学生らが来年3月までに復帰することを目指しており、既存施設の最大限の活用や教授陣の増員などで問題を解決する方針を示している。だが、現場ではその実現が容易でないとの声が強まっている。
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