2024 年 10月 14日 (月)
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ロボット義足から美肌まで…韓国研究機関が手掛ける「用途多様、万能微細針」

大邱慶北科学技術院(DGIST)ロボットや機械電子工学科のイ・サンフン教授=DGIST(c)MONEYTODAY

韓国・大邱慶北科学技術院(DGIST)のイ・サンフン教授が、自己修復機能を持つ形状記憶ポリマー素材を使った「マイクロニードル(微細針)」技術を開発した。16日にソウル・コエックスで開催される「2024テックマーケット」で紹介される。マイクロニードルはロボット義足や生体信号のモニタリングなど、医療分野から美容まで幅広い用途で注目されている。

イ・サンフン氏は、ロボット義足の使用者が筋肉の回復度を確認するため、膝に微細針を使用して筋肉の信号を読み取る技術を開発している。この研究は、ロボット義足メーカー「ヒューゴダイナミクス(HUGO DYNAMICS)」やソウルアサン病院、中央報勲病院、韓国機械研究院と共同で進められている。微細針の素材には、形状記憶ポリマーが使われており、熱を加えると元の形に戻る特性を持つ。この技術により、生体信号を安定して長期間記録できるという。

最近、事故による下肢切断だけでなく、糖尿による下肢切断患者数も増えている。このような患者の生活の質を改善するために、失われた足に代わるロボット義足が開発されている。

ロボット義足を使うためには、何よりも患者の意図に合うようにする機能が安定的に作動する必要があり、そのためには患者の生体信号を迅速かつ正確に獲得できなければならない。このために非侵襲的な表面筋電図センサーを活用する研究が進行中だが、まだ活用されていない。

イ・サンフン氏はこれに対して「筋電図信号を読んで伝達するためには、センサーがソケット内部にストッキングのように履くシリコンライナーの中に位置しなければならない。だが、シリコンライナーが汗で濡れると、生体信号計測時にノイズが発生し、ロボット義足の重さと動きによってセンサーに損傷が生じる場合がある。長期間、筋肉生体信号を安定的に記録することはできない」と話している。

イ・サンフン氏は、こうした問題を解決するアイデアとして「形状記憶ポリマー」という素材で作ったマイクロニードルを構想した。何度使っても一定水準の身体熱が加わると、元の状態に戻る。さらに、マイクロニードルは柔軟で、歩行を司る多様な筋肉部位に付着可能で、折れもしない。このような機能を備えたマイクロニードルを生体信号を記録する電極として使う。

イ・サンフン氏は「マイクロニードル生体電極は生体組織を損傷させず、長期間反復的使用にも高い性能を実現できる。3次元プリンティングなどでこれを簡単に大量に製造する方法を研究している」と話した。

形状記憶ポリマーマイクロニードルはこれだけでなく、多様な用途に活用できる。スポーツ分野でもこれを通じて筋肉疲労度をさらに詳しく測定できる。イ・サンフン氏は「現在、皮膚で測定する筋電図はノイズが多いが、マイクロニードルは若干皮膚を突き破るため、より多くの情報を正確に得ることができるだろう」と話している。

(c)MONEYTODAY

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