韓国で新型コロナウイルス感染のエンデミック化以降、再び問題となっているダンピング観光の被害を防ぐため、ソウル市が具体的な対応策に乗り出した。ソウル市はこのほど、外国人観光客の不満を引き起こし、ソウルの観光イメージを損なう低品質なダンピング観光の国内拡散を防ぐため、海外で販売されているソウル行きの格安パッケージツアーの品質調査を実施した。
今年3月には、中国の主要4大オンラインプラットフォームで販売されているソウル旅行商品のうち、3097件の中から格安の100件を選び、85件についてダンピングが疑われるとして、政府と駐韓国大使館に対して販売禁止を求めた。
ダンピング観光商品は複数の国で流通しているが、今回は観光客の割合が比較的高い中国とベトナムの団体旅行商品の中から格安の7件を選定し、現地の外国人で構成された調査員を派遣して密かに点検した。調査員は、実際に商品を購入し、出発から帰国まで全行程に同行してガイド、宿泊施設、食事、オプショナルツアー、ショッピングなど旅行全般にわたり評価した。
調査に参加した調査員によると、旅行日程の大部分が観光よりも団体ショッピングに集中しており、ソウルの歴史や文化を十分に楽しむことができない点で観光客の不満が多かったという。特に、ショッピングの成果によってガイドの態度が変わり、バス移動中にも物品購入を繰り返し勧められるケースがあったと指摘した。
また、観光地での滞在時間は非常に短く、天候や移動ルートの都合で予定通りに進行しない場合が多く、事前の予告なしにツアーがキャンセルされることもあり、ガイドとの口論が起こることもあった。
ソウル市は今回の調査結果を文化体育観光省や各大使館と共有し、これらの商品がさらに広がるのを防ぐため、必要に応じて警察に告発するなどの法的措置を検討している。また、旅行商品の発信元である中国やベトナムの各大使館にも販売状況を知らせ、現地法に基づく旅行会社への制裁を要請する。
ソウル市観光体育局のキム・ヨンファン局長は「旅行に最適な季節に、観光の基本に立ち返り、ソウルのポジティブなイメージを構築する必要がある。観光秩序を乱す違法な慣行には厳しく対処し、観光の質を向上させ、再び訪れたい魅力的な都市ソウルを作っていく」と強調した。
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