韓国食品業界で最近、「グローバル人材」獲得が採用トレンドとして浮上している。K-フードがアジア市場を超えて北米・欧州市場にも拡大し、主要企業は外国人採用にまで踏み込んだ人材確保に乗り出している。
食品最大手「CJ第一製糖」がこのほど、業界初となる海外の大学に在学中の外国人を対象にした採用連携プログラムを導入した。同社が今年7月に実施したインターンシッププログラムでは、グローバル最高水準の経営学修士(MBA)または海外の有名大学に在学・卒業した学生を対象に募集し、計5000人以上が応募して高い関心を集めた。最終的には、ハーバード、スタンフォード、MITなどの出身者18人が選ばれた。
同社の今年上半期の食品事業の売り上げは、国内が1兆3807億ウォン(約1490億円)、海外が1兆3244億ウォン(約1435億円)で、海外の割合がほぼ半分にまで高まっている。同社は韓国居住の外国人留学生や海外の韓国人留学生などを対象にした採用も進めており、グローバル人材確保プログラムを拡大している。
「オットゥギ」も今年5月に実施した上半期の大卒新入社員採用過程で、外国人留学生を採用した。外国人留学生の採用職種はブランド経験(BX)、マーケティング(PM)、グローバル営業、購買などで、現地での経験が必要な職種だ。同社の海外売り上げ比率は昨年時点で10%程度と競合他社に比べると小さいが、最近、オーナー家の3世であるハム・ヨンジ氏が米国法人のオットゥギ・アメリカに入社するなど、海外市場拡大に注力している。
「プルダック」シリーズの売り上げが1兆ウォン(約1084億円)に迫っている三養(サミャン)食品は最近、食品業界で「人材のブラックホール」と評価されている。先月にはオランダに欧州販売法人を設立し、現地で勤務する経験者の採用に乗り出した。同法人設立が完了すれば、三養食品は日本、米国、中国、インドネシアなど5つの海外法人を持つことになる。業界によると、三養食品の海外売り上げ比率は全体の70%に達するという。
「SPCグループ」は27日、パリクロワッサン、SPC三立(サムリプ)、ビアールコリアなど7つの系列会社の新入社員採用を発表し、「グローバル・グレート・フード・カンパニー」を前面に掲げた。系列会社ごとに多少の違いはあるが、ほとんどの職種で「海外居住経験および外国語優秀者優遇」を条件としている。特にパリバゲットを運営するパリクロワッサンは、英語圏諸国、中国、フランス、ベトナム、インドネシア、マレーシア、中東など、SPCグループが戦略的に進出した国々を提示している。
業界関係者は「国内市場が次第に狭くなる中、食品業界では海外進出が『選択』ではなく『必須』となっている。外国人材採用は短期的には文化的障壁を低くし、グローバル企業への成長のための必須戦略だ」と説明している。
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