韓国映画の象徴とされた「大韓劇場」が、66年の歴史に幕を閉じることになった。映画館が次々と姿を消す中、今回の閉館も、オンライン動画配信サービス(OTT)や大手マルチプレックス映画館の急成長が背景にある。
劇場前の飲食店には映画俳優たちが残していったサインが壁に飾られていた。12年以上、この場所で飲食店を経営してきた店主は「映画俳優が舞台挨拶の後によく来ていた」と回顧し、「劇場が閉館するのは残念だ」と話していた。
大韓劇場は、既に営業が停止され、内部のリノベーション工事中だった。1958年に単館映画館として開館した大韓劇場は、米20世紀フォックス社によって設計され、70mmフィルムの上映を可能にするなど、映画鑑賞の環境にこだわった劇場であった。「ベン・ハー」「サウンド・オブ・ミュージック」といった大作を上映し、一時は年間146万人もの観客を集めていた。
しかし、映画業界の急激な変化により、単館映画館は厳しい状況に直面した。運営会社の世紀商事は劇場を公演会場に改装する計画を進めており、英ロンドンと米ニューヨークで人気を博したイマーシブ公演「スリップ・ノーモア」を誘致すると明らかにした。
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