韓国のパリ五輪卓球銅メダリスト、シン・ユビン選手が五輪試合中にバナナを食べるシーンが登場する。このバナナは、試合に全力を尽くす彼女のエネルギー源として描かれ、勝利への鍵ともいえる存在だ。そしてバナナの効能まで丁寧に説明される。
しかし、突然、「会社員」の話題に切り替わる。会社員にとってのエネルギーは「給料」であり、動画は「もし給料を受け取れなかったらどうするか?」という問いかけをする。この部分が会社員の目を引く内容となっている。動画は、雇用労働省の労働ポータルにアクセスして未払い賃金に対する申請書を作成する方法を、誰にでもわかりやすく案内している。
この動画は4万回の再生回数を記録し、約250件のコメントが寄せられた。その多くは若い会社員たちからのものだ。政府の政策を宣伝する動画が1000回の再生を超えるのも難しい現実を考えると、この反響は非常に大きい。これは、同省が運営する「e-労務知識」コーナーで公開された政策広報動画の一つだ。
雇用労働省は「働く韓国国民なら誰でも!絶対に見逃してはならない政策をお知らせします!」というキャッチフレーズで、こうした広報動画を制作し、国民に知らせている。同省の公式YouTubeチャンネルなどのフォロワー数は11万人を超えており、政府各部処も同様の動画コンテンツを政策の広報に活用している。なかでも雇用労働省の動画が特に話題となっている。
難解な法的用語が多い労働政策を、できる限りわかりやすく解説し、日常生活での具体例を盛り込んでいる点が好評を得ている。ある省庁では、雇用労働省にそのノウハウを尋ねることもあるという。ムン・ジェイン(文在寅)政権時代から、雇用労働省の広報コンテンツは高評価を受けており、現在もその人気は続いている。5月に公開された海外就職を支援する広報動画は17万回の再生を記録するなど、多くのヒット作品が生まれている。
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