韓国で名節の秋夕(チュソク)を10月以降の太陽暦に固定すべきだという主張が出ている。地球温暖化の影響で、現在の旧暦8月15日には伝統的な秋の農業行事を実施することが難しくなっているためだ。
実際、今年の秋夕も最高気温が34度に達し、「夏夕(ハソク)」という新語も登場している。秋夕はもともと秋の始まりとされたが、近年の気候変動で夏が長引き、もはやその季節的意義を失いつつある。
かつての農耕社会では、秋夕の時期が早すぎて新米が用意できない場合、重陽節(旧暦9月9日)に先祖を供養することもあった。秋夕を10月に固定する案はこれを踏まえたものだ。
支持する人は、現代では秋夕が家族や個人の余暇を楽しむ日として重要視されており、固定された日付のほうが計画を立てやすいという意見だ。ある男性会社員は「農耕社会の慣習に基づいた秋夕の日付は、現代の生活様式に合わない」と指摘する一方で「秋夕を移すと農業従事者が影響を受ける可能性があるため、そちらの立場も聞くべきだ」と述べた。
ある農業従事者は「秋夕は祖先を祭る民族固有の祝日であり、単なる利便性のためだけで変えるべきではない」と、伝統を重んじる立場だ。また、気候変動そのものへの対応が重要であり、秋夕の日付を後ろにずらすことは本質的な解決にはならないとする意見もある。
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