2024 年 11月 25日 (月)
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[KWレポート] 若者の雇用守れるか…韓国「65歳定年」の課題 (3)

国民年金任意継続加入者数の推移(c)MONEYTODAY

◇定年延長で老後の備え強化、年金改革が焦点

現行60歳の労働者の定年延長は、国民年金の義務加入上限年齢とも関連している。義務加入期間が延長されると、会社が保険料の半分を負担するため、会社員にとっては老後の備えが強化される可能性がある。ただし、60歳以上の高齢者が単純作業など低賃金の職に再就職する場合、国民年金財政や受給額に負担をかける可能性があるという意見もある。

保健福祉省は、最近発表した「年金改革推進計画」で、期待余命の延長と高齢者の経済活動参加の増加を考慮し、義務加入上限年齢を59歳から64歳に引き上げることを検討すると明らかにした。

加入上限年齢の59歳は、国民年金制度が施行された1988年以来維持されている。しかし、2013年から年金受給開始年齢が61歳に引き上げられたことにより、義務加入年齢と受給年齢の間にギャップが生じ始めた。受給開始年齢はその後5年ごとに1歳ずつ引き上げられ、現在は63歳、2033年には65歳にまで延びる予定だ。

このギャップを解消するために、現行制度では59歳以降も希望すれば任意継続加入によって64歳まで国民年金を納付できる。これは、国民年金を最低10年間納付することで老後に年金を受け取ることができるため、加入期間が不足して年金を受け取れない人や、加入期間を延長してより多くの年金を受け取りたい人々のための制度だ。

◇長期的な議論が必要

昨年末の時点で任意継続加入者は53万4010人で、10年前と比べて3.2倍に急増している。性別では、女性(36万7660人)が男性(16万6350人)を大きく上回っている。女性は比較的、国民年金の職場加入率が低いため、遅れてでも国民年金に加入して老後の備えをしようとする傾向が強いようだ。

任意継続加入者は、会社員であっても保険料を全額自己負担する必要があるため、個人負担が大きい。国民年金の義務加入期間が64歳まで拡大されれば、会社員は保険料の半分を会社が負担するため、労働者の負担が軽減される可能性がある。

しかし、高齢者の収入が低く、納付する保険料の規模が平均所得以下である場合、国民年金財政に負担をかける可能性がある。国民年金は、支払ったお金に対して受け取るお金の比率(収益比)が最低1以上で、所得が少なく納付期間が長いほど、平均収益比が高く設計されている。国民年金公団によると、2023年の新規加入者の基準で、月100万ウォンの所得層が25年間納付した場合、収益比は4.3倍に達するという。

現在、任意継続加入者のうち64%にあたる34万1653人の月収は150万ウォン未満だ。昨年の「国民年金加入者の最近3年間の平均所得月額」(A値)である286万ウォンを下回る加入者の比率も約90%に達している。A値は月額年金額の計算式に含まれているため、A値が下がると国民が受け取る年金額もわずかに減少する可能性がある。昨年、保健福祉省の第5次国民年金総合運営計画案でも「義務加入上限年齢を調整する場合、A値の低下が懸念される」と明記されていた。

同省関係者は「国民年金の義務加入上限年齢の調整は、老後所得の強化を目的として検討しようという提案であり、高齢者の継続雇用の条件などと連携して、長期的に議論する必要がある」と述べた。

(つづく)

(c)MONEYTODAY

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