「独島行きの旅客船『Sea Flower号』がまもなく出航します。本日は波が高く、船が大きく揺れる可能性がありますので、ご注意ください」
9月6日午前7時27分、「2024独島探訪」に参加した約70人の乗った旅客船は、船長のアナウンスとともに、「独島」に向けて出発した。
鬱陵島の南東約87.4キロに位置する「独島」への航路は「三代の徳を積まなければ踏むことができない」と言われるほど険しい道のりだ。
午前中に降り始めた雨は時間が経つにつれ強まり、波も高く荒れていた。出航時から波が大きく、旅客船は絶え間なく揺れていた。
「独島探訪」の参加者らは酔い止め袋を手に、しばらく悩まされた。しかし、太極文様のフェイスペイントを施した子どもたちの顔には、期待と興奮が溢れていた。
どれほどの時間が経っただろうか。
高波を突き進んだあと、船長のアナウンスが流れた。「まもなく独島への接岸を試みます」
船内のあちこちから歓声が上がった。参加者らは船窓からかすかに見える「独島」に釘付けになり、太極旗を振りながら興奮していた。
参加者たちの強い期待と願いが天に届いたのだろうか。荒れていた海は、船が「独島」に近づくとともに静まり、午前中に降っていた雨も止んだ。
船窓の向こうには、海の真ん中にそびえ立つ高さ99.4mの東島の絶景が一望できた。断崖を打ちつける荒々しい波の音が響き、澄んだ日本海の清浄な風が参加者を包み込んだ。
「独島」に滞在できる時間は20分ほど。参加者らは、その絶景を背景に写真を撮ることに夢中だった。太極旗を振りながらシャッターを切り続け、出迎えた島の警備隊員に感謝の気持ちを表していた。
特に、手形が押された横4m、縦1mの大きな旗を広げ、「独島が韓国の大切な海洋領土であること」を再確認する意義深い時間を持った。
家族とともに「独島探訪」に参加したチョン・ヨンジュンさん(41)は「実際に独島に来てみると、感動で胸がいっぱいになり、わが領土であることを実感できました。美しいわが領土を守っている独島警備隊員にも感謝します」と語った。
チョ・バネサちゃん(11)は「独島についてあまり知らなかったけど、今回の独島探訪を通して、わが領土・独島に一歩近づけた気がします。これからは、わが領土・独島をもっと愛し、大切にしなければならないと思います」と話した。
チェ・イェナちゃん(14)は「独島へ行く道のりは大変でしたが、教科書や写真でしか見たことのなかった独島を実際に見て、誇りに思いました。これからは、わが領土・独島を守るために力を尽くしたいです」と口にした。
「ブ~ン」
乗船の合図を告げる汽笛の音が響き渡り、船員たちの催促も後に続いた。
参加者らは、名残惜しさをこらえて船に乗る。船は再び、沙洞港へ向けて進んだ。
◇「日本の国境」理解深める取り組み
「独島探訪」の参加者は、年齢を問わず「独島」の土を踏んで、その風土を肌で感じ、それによって自国の領土に対する意識を深めていることがわかる。
この「独島探訪」の是非は別として、一方の当事者である日本では、こうした「自国の領土」に対する意識を深めるための試みが、どれだけなされているだろうか。
韓国が「独島」と呼んで実効支配を続けるこの竹島に加え、尖閣諸島や北方領土なども含めた「日本の国境」について、多面的な情報を整理して共有し、海洋国家・日本の置かれた状況を改めて認識する必要があるだろう。
(おわり)
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