2024 年 11月 25日 (月)
ホーム経済流通「爆弾酒」「2次会」は昔話…韓国・若者世代に急拡大「酔わずにいる」というトレンド

「爆弾酒」「2次会」は昔話…韓国・若者世代に急拡大「酔わずにいる」というトレンド

ソウル市内のある大型マート(c)NEWSIS

韓国でMZ世代(1980年代~2000年代初旬の生まれ)を中心に、酒を勧めない「ソバーキュリアス(sober curious)」文化が急速に広がっている。「ソバーキュリアス」とは、酒に酔わずにいることへの関心を指す造語で、飲酒を控えたり、少量の飲酒で済ませたりするライフスタイルを表す。

この文化は「必ず酒を飲む必要があるのか?」という疑問から生まれた。米国ではパンデミック以前からこの文化が広がり、今では若者の間で一つのトレンドとして定着している。韓国でも、健康と運動を重視する流れが強まる中でソバーキュリアス文化が広がってきた。

近年、国内のMZ世代の間で「ボディプロファイル」や「ランニング」などの運動文化が流行し、それに伴いソバーキュリアスも注目を集めるようになった。飲みすぎに対する反発や、健康的なライフスタイルへの関心が背景にある。また、新型コロナウイルスの影響で、社会的距離が広がった時期に飲酒文化が自然と遠ざかったことも一因だと指摘されている。

統計庁によると、韓国の1人あたりの平均酒類消費量は2015年の9.1Lから、コロナ禍を経た2021年には7.7Lまで減少している。

このトレンドはTikTokなどの動画プラットフォームでも確認でき、「ソバーキュリアス」を検索すると「禁酒〇日目の感想」や「1カ月禁酒チャレンジ」といった動画が数多く投稿されている。フォロワー2万人を持つTikTokクリエイターの「ダニエル」は、自身が禁酒した経験について語っており、酒を減らしたことで得た変化を共有している。

米経済誌「フォーブス」は、ソバーキュリアスについて「アルコールが心身に及ぼす影響を十分に理解し、飲酒を慎重に選ぶことが鍵だ」と説明している。飲酒量を厳密に制限するというより、酔う理由があるか自問しながら、適度に調整することを奨励している。

このようなトレンドに対応し、酒類業界はノンアルコールや低アルコール製品を次々と市場に投入している。例えば、ハイトジンロは、2024年に「チャミスル・フレッシュ」のアルコール度数を16.5度から16度に下げた。また、2022年に発売されたロッテ七星(チルソン)飲料の「セロ」は最初から16度で登場している。

ソバーキュリアスの流行は、上司による飲酒の強要や、2次会、3次会と続く「爆弾酒」文化に疲れた若者たちにとって、新たな逃げ道となっている。専門家は、若者の健康意識を楽しんで取り入れる「ヘルシープレジャー」トレンドも相まって、これからは泥酔するまで飲む文化は徐々に変わっていくだろうと分析している。

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