中国の大学がAIの影響を受け、韓国語を含む外国語専攻の募集を次々と中止している。外国語専攻の卒業生は就職率が低く、AI(人工知能)の進化により社会的需要も減少しているため、外国語教育は大きな転換点を迎えている。
◇外国語専攻の縮小とAIの影響
中国経済メディアの「財新」によると、最近、北京の対外経済貿易大学や北京外国語大学が、日本語やイタリア語の通訳・翻訳専攻を含む一部の外国語専攻の修士課程の募集を中止した。さらに、韓国語通訳専攻の募集も中止され、外国語の重要性が大きく変化していることが明らかとなった。
また、山東省の済南大学は今年5月に韓国語やドイツ語など9つの専攻の募集を停止すると発表した。教育省が発表したデータによると、過去5年間で少なくとも101の大学が外国語専攻を廃止しており、その中でも日本語、英語、韓国語の専攻が最も多く閉鎖されている。
◇AIによる外国語学科への影響
外国語専攻が縮小されている理由の一つは、AIの進化による翻訳技術の向上だ。AIが瞬時に多言語を翻訳できるため、外国語専攻の卒業生に対する社会的な需要が減少している。就職率は低下しており、スペイン語専攻は湖南省の大学卒業生の就職率ランキングで最低位を記録するなど、厳しい状況に直面している。
さらに、外国語専攻の卒業生の給与も他の専攻と比較して低い。2023年中国大学卒業生就職報告書によると、2022年の外国語・文学専攻の卒業生の卒業後6カ月の月給は5547元(約11万4000円)で、全国平均の5990元に達しなかった。
◇AI時代における外国語教育の課題
AIの急速な進化により、特に翻訳業務や外国語教育分野においては、さらなる影響が予想されている。簡単な日常的な表現の翻訳はAIが容易にこなす一方で、専門的な文書や複雑な表現においては依然として人間の介入が必要だとされる。このため、専門家はAIの進化に伴って、外国語の教育は質の向上が求められると指摘している。
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