財布の代わりに身分証をスマートフォンに入れて使うモバイル身分証時代が韓国で本格的に始まろうとしている。モバイル運転免許証や国家報勲証に続き、12月からモバイル住民登録証のサービスが開始される。これにより、全国民が公共機関での申請手続き、銀行での金融業務、コンビニ、無人販売機など、身分証が必要なすべての場所で「モバイル身分証」を使用できるようになる。
ある男性はモバイル運転免許証を発行して以来、銀行業務がより便利になった。非対面での銀行口座開設も簡単だ。銀行のモバイルアプリにアクセスし、行政安全省のモバイル運転免許証を選択すれば、顔認証だけで本人確認が完了する。以前は実物の身分証を撮影し、1ウォンの送金など追加認証を経なければならなかったが、モバイル身分証を発行してからは、指紋認証や顔認証だけでモバイル身分証を提出できる。
別の男性はコンビニでビールを購入する時、モバイル運転免許証を見せる。実物の身分証を提示する時には、出生年以外の不要な個人情報が露出することが気になっていたが、モバイル身分証を使用すれば不要な個人情報を露出せずに成人認証ができる。
スマートフォンでモバイル身分証を登録できるプラットフォームも大幅に増える。サムスンウォレット(サムスンペイ)やカカオトーク、ネイバー、トス、KB国民銀行、農協銀行のアプリでもモバイル身分証の発行が可能になる。これにより、国民は自分の生活スタイルに合ったアプリを選んでモバイル身分証を発行し、使用できるようになる。
関連業界は「ブロックチェーンを活用したデジタル身分証の成功例として、世界的に注目されている韓国のモバイル身分証がモバイル住民登録証などに拡大されることで、国民の日常生活の革新に大きく貢献できる」と期待感を語った。
政府が発行するモバイル身分証には、ブロックチェーンとFIDO(生体認証)技術が適用されている。個人情報保護のためのセキュリティが他の認証手段に比べて強力だというのが専門家の見解だ。特に、ブロックチェーン方式を使用してデータが複数箇所に分散してサービスされるため、システムの一部に障害が発生してもサービスを継続して利用できる。
(c)NEWSIS