韓国でのAIチャットボットの認知度は高いものの、実際の利用率はまだ低い水準にとどまっている。特に有料サービスの利用者は少数で、主な利用目的は学業や情報検索が中心だ。市場の成長が見込まれる中、韓国内外の企業が技術開発とサービス展開を強化し、競争が激化している。ネット大手ネイバーやカカオ、SKテレコムなど韓国企業も独自のAI技術を活用したサービスを展開し、今後の成長に注目が集まっている。
情報通信政策研究院(KISDI)が9日発表した「AIチャットボットの認知度と利用状況」によると、韓国でのAIチャットボットの認知度について、42.1%が「ある程度知っている」と回答し、3.4%が「よく知っている」とした。さらに40.9%が「よく知らないが聞いたことはある」と答え、合計で86.4%がAIチャットボットの存在を認識していることが判明した。一方で、「全く知らない」という回答も13.6%に上った。
年代別で「ある程度知っている+よく知っている」と答えた割合は、30代が75.8%で最も高く、次いで20代が70.2%、40代が61.6%だった。反対に「全く知らない+聞いたことはある」という回答は10代(56.3%)や50代以上(50代57.6%、60代77.3%、70代以上92.9%)で半数以上を占め、世代間で大きな差が見られた。
AIチャットボットの利用経験は比較的低い水準にとどまっている。「利用したことがある」と答えた人は13.4%に過ぎず、さらに有料で利用している人は5.7%だった。
年代別の利用率では、30代と20代がそれぞれ26.5%、26.0%で比較的高く、次いで40代が18.7%だった。AIチャットボットの利用目的を見ると、10代は主に「学業用(54.0%)」だったのに対し、他の年代では「情報検索用」が主流だった。情報検索用の回答は、20代が57.1%、30代が79.8%、40代が64.0%、50代が71.9%、60代が69.4%となっている。
特に「業務用」という回答は、40代(32.4%)、50代(26.4%)、60代(29.5%)の中高年層で、20代(17.4%)や30代(17.8%)の若年層よりも高かった。KISDIのオ・ユンソク研究員は「中高年層のAIチャットボット利用率は低いが、利用する場合はより専門的に活用していることがわかる」と分析している。
AIチャットボット市場の普及が進む中、国内外の企業間で激しい競争が繰り広げられている。オープンAIのChatGPTやマイクロソフトの「Copilot」など、主要なグローバル企業は優れた技術を武器に韓国市場に進出している。一方、国内企業も技術開発やサービスの高度化を進めており、ネイバーは自社の大規模言語モデル(LLM)「HyperCLOVA X」をベースに、AIチャットボットや検索サービスを展開している。
また、カカオもAIチャットボット市場に参入を予定しており、B2C向けのAIサービスを展開する計画だ。さらに、SKテレコムは米国のAIスタートアップ「パープレクシティ」と共同で開発中の韓国語に特化したAI検索サービスを今月中に提供する予定だ。
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