韓国で禁煙区域の拡大に伴い、喫煙者が路上に溢れ、都市部の裏通りが「喫煙所」と化している。従来の喫煙所が閉鎖されたことにより、非喫煙者が受動喫煙にさらされるケースが増え、市民から不満の声が上がっている。
17日から適用された新しい規制により、保育園や幼稚園、小中高校の敷地から30メートル以内は全て禁煙区域に指定された。このため、オフィスビルに併設された保育施設がある地域では、喫煙所が閉鎖されるケースが相次いでいる。
19日、ソウル市内の広場周辺では、オフィスビル間の裏通りでたばこを吸うサラリーマンの姿が見られた。裏通りには「禁煙区域」「たばこの煙が飲食店に入ってきて困っています」「たばこの吸い殻を捨てないでください」といった表示が貼られていたが、それにもかかわらず、約30人が喫煙をしていた。
新たな禁煙区域の設定により、喫煙者は従来の喫煙所を失い、周辺の裏通りやオフィスビルの隣接地に分散して喫煙するようになった。これにより、近隣住民や通行人が受動喫煙にさらされ、不快感を示す場面も多く見られる。
保健福祉省が17日に発表した資料によると、今回の規制強化により、幼稚園や保育園の敷地境界から30メートル以内の禁煙区域が拡大され、これに違反した場合は10万ウォン(約1万円)以下の過料が課される。また、小中高校の敷地境界から30メートル以内も新たに禁煙区域として指定された。
喫煙所が閉鎖されたことで、路上での喫煙が増加しており、非喫煙者だけでなく、喫煙者もまた不便を感じている。喫煙者の一人は「政策の意図には理解を示すが、突然喫煙所がなくなり、どこでたばこを吸えばよいのか分からない」と困惑している。
一方で、市民の中には「喫煙ブースを設置するなど、代替施設が必要だ」との声も多い。通りでたばこの煙に顔をしかめる市民は、「受動喫煙を防ぐためにも、喫煙者が安心してたばこを吸える場所を提供すべきだ」と提案している。
このような状況を受け、公共の場における喫煙対策が一層求められる中、喫煙者と非喫煙者の共存を図るための新たな施策が期待されている。
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