「趣旨には共感するが、会社員の立場として、すぐ近くの喫煙所がなくなると、遠くの喫煙所に行かざるを得ず、非常に負担が大きい」
ソウル市鍾路区の鍾閣駅近くで出会った会社員の男性(53)は6年間利用していた喫煙所が突如としてなくなるという知らせに、困惑の表情を隠せなかった。
地域の教育施設の境界線から30メートル以内が17日、新たに禁煙区域に指定された。特に、大企業が入居している本社ビルには、企業内保育所が併設されていることが多く、この規制により、光化門や汝矣島、江南大路周辺の喫煙所の大半が閉鎖されると予想されている。
市民らは喫煙者と非喫煙者を問わず、今回の法改正の趣旨には概ね共感しているという。しかし、喫煙所の閉鎖によって生じる「風船効果」に対する懸念が多く聞かれた。
鍾路区で10年以上働いている40代の男性会社員は「この喫煙所を利用している人は30〜40人程度いるが、喫煙所が閉鎖されると、これだけ多くの喫煙者がどこで喫煙するのか」と疑問を呈した。
別の喫煙所で会った50代男性の喫煙者も「他の喫煙区域がなくなれば、結局、こうした場所に人が集中し、風船効果が現れるだろう。教育施設から離れた場所に新たな喫煙所を設けるなどの対策が必要だ」と訴える。
非喫煙者もまた、法改正を歓迎しつつも、喫煙所閉鎖による影響を懸念している。子どもを持つ40代の女性会社員は「保育所などがあるため、喫煙区域をなくすことは当然だが、一方で、路上で喫煙する人が増え、吸い殻が無造作に捨てられることが多くなるのではないか」と不安を感じていた。
また、鍾路区内の高層ビルにあるコンビニで働く60代の男性店員は「このコンビニではたばこがよく売れているが、喫煙区域がなくなったからといって、会社員たちが喫煙をやめるわけではない」と反論した。
なお、国民健康増進法の改正により、17日から禁煙区域は幼稚園と保育所の場合、施設の境界線から30メートル以内に拡大され、小中高の学校施設でも同様の区域が新たに設けられる。この区域内で喫煙した場合、10万ウォン(約1万円)以下の過料が課される。
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