ソウル市瑞草区の教大駅付近に「女性の党」による横断幕が張られ、それを批判する別の横断幕も登場し、オンライン上で議論を呼んでいる。
女性の党が設置した横断幕には、ジェンガゲームで「女性人材」と書かれた木のブロックを引き抜く写真とともに、「女性人材を指で引き抜くことは、企業を倒壊させる近道です」という文言が書かれている。女性の党はこの横断幕を、ルノーコリアの城南事業所、ネクソンコリアの板橋本社、ソウル地方雇用労働庁、ソウル広場など、首都圏の10カ所に設置したという。
女性の党は、この横断幕について「女性労働者に対する思想検閲やテロ行為に同調する企業と、それを放置する政府の対応を促すための行動だ」と説明している。
一方、この横断幕を批判する別の横断幕が同じ場所に設置され、「会社で承認されていない画像を勝手に挿入し、不要な対立を引き起こして損害をもたらした従業員は、性別を問わず解雇すべきだ。それが嫌なら、何か店を起業して自分たちの指の写真を使って商売でもしろ」と主張している。
この対立する横断幕をめぐり、オンライン上では賛否両論が巻き起こった。
一部では「なぜ個人の思想を公の表現として使うのか」「指を使わなければいいことではないか」「悪いことは悪いと指摘しなければ認識の変化も生まれない」「垂れ幕の写真まであの指だ」など、男性差別的な行動を批判する反応を見せた。一方で「誰が正しいか間違ってるか争うのが一番無意味だ」「最近、指をつかむのを見ると、すべてドラえもんの手で表現しなければならないようだ」などの皮肉もあった。
「指」が問題視されている背景には、ルノーコリアの「ピンセットの手」問題があるようだ。ルノーコリアの車両プロモーション映像で、ある女性社員が「ピンセットの手」のジェスチャーを使った。このジェスチャーが、韓国のネットで「男性の特定の身体部位のサイズ」を嘲笑する意味を持つと解釈され、激しい批判にさらされた。結果として、この女性社員は業務から外される事態に至った。
女性の党は、女性に対する差別と暴力、不平等の解消のための立法を掲げて2020年に発足した。
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