韓国で最近、新型コロナウイルスや手足口病などの感染症が流行している中で、髄膜炎や敗血症を引き起こす髄膜炎菌感染症の発生も増加していることが判明した。特に夏の水遊びの後に髄膜炎にかかるケースが多く、注意が必要である。
髄膜炎は、脳を覆う膜である髄膜に感染が広がり炎症を起こす病気で、発熱、激しい頭痛、吐き気、嘔吐、首のこわばりなどの症状が現れる。重症の場合、四肢の麻痺やけいれん、意識障害を伴うこともあり、適切な治療を受けないと脳に永久的な損傷を引き起こす可能性がある。
感染経路により、ウイルス性、細菌性、結核性、真菌性に分類されるが、細菌性髄膜炎は髄膜炎菌、B型インフルエンザ菌、肺炎球菌など、ワクチン接種で予防が可能だ。
髄膜炎菌は髄膜炎以外にも敗血症、肺炎、心嚢炎などを引き起こすが、発症後24時間以内に死亡することもあり、抗生物質による治療を受けても致死率が10~15%に達する。さらに、5人に1人は神経障害や聴力損失などの後遺症を経験するため、予防接種が重要であると専門家は指摘している。
韓国疾病管理庁の感染症ポータルによると、今年の髄膜炎菌感染症の発生件数は12日までに12件。2019年には16件であったが、新型コロナウイルスの影響で防疫が強化され、2021年には2件、2022年には3件に減少した。しかし、防疫が緩和された昨年には11件に増加し、今年はまだ8月に満たない時点で昨年の発生件数を超えている。
仁荷大学病院小児青少年科のキム・ドンヒョン教授は「髄膜炎菌は非常に侵襲的で重篤な病原体であり、高い死亡率を示す。感染後に回復しても深刻な後遺症を残す」と述べた。「北米や西欧など多くの国々では、髄膜炎菌の予防接種が重要視されている。韓国も、集団生活や海外旅行、海外出張、さらには留学や語学研修が増加している現時点で、ワクチン接種による髄膜炎菌疾患の予防が最も重要だ」と強調した。
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