「シン・ユジン(生徒・仮名)の学業成績が急激に低下しています」。韓国教育省が7日、大邱広域市のEXCOで開催した「教室革命先導教員研修」で、人工知能デジタル教科書(AIDT)を使用した模擬授業を担当した、地元中学の教師イム・ソナ氏のダッシュボードにこのようなメッセージが表示された。「AIDTのカスタマイズフィードバック機能を活用している」という説明に、現場に集まった教師や関係者の注目が集まった。
実際、イム・ソナ氏はAIDTの多様な機能を活用して、学生の学習遅滞を補っている。同じ成績の低いグループの中でも、正答率が40%の学生と20%未満の学生を分けて管理する方法だ。学力が低い学生を集め、毎朝補習を実施し、AIを通じて個別に適した問題を提供することで、17人の学生の成績が少しずつ向上し始めた。
韓国政府は来年3月の新学期から、小学3・4年生、中学1年生、高校1年生を対象に、国語、数学、英語、情報科目でAIDTを導入し、2028年まで段階的に拡大する。AIDT導入の目的は「学生一人ひとりに合わせた授業」を提供するためで、教師は教育課程内で追加の学習資料や授業を自由に設計できるようになり、学生は自分のレベルと学習速度に合わせてAIを通じて知識を受け取ることができる。これにより、教師は単なる知識の伝達よりも、人間性や協力能力などの育成に焦点を当てた授業を計画し、生徒指導により集中できるようになる――と政府は期待している。
一方で、懸念の声もある。ある小学校教師は「多様な機能を持つAI教科書によって授業がスムーズになるだろう」としつつも「完成品をまだ見ておらず、教える方法を研究し準備する時間が不足するだろう」と懸念を示した。中学校の数学教師も「三角関数のような複雑なグラフを学ばなければならないが、現在の試作品では一次関数などしか扱えず、さらなる機能の追加が必要だ」と指摘した。
これに対し、イ・ジュホ副首相兼教育相は「教師の授業が教育政策の核心であり、これを強力に支援する。韓国が教育の『ファーストムーバー』として新しい教育と授業のモデルを示せるよう、何でも支援する」と約束した。
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