ソウルなど首都圏の主要地域で新築物件が不足し、品薄が深刻化している。高額な分譲価格などで未販売の新築マンションの残余物件が増え、無条件に新築を求める「オルチュクシン」(凍えても新築)という言葉も登場した。韓国政府は都市部の住宅供給に対する明確な対策を打ち出せずにいる。
ソウル市銅雀区の「上島プルジオ・クラベニュー」が売れ残り物件を消化している。この団地の専有面積84㎡の分譲価格は最高13億9300万ウォン(1ウォン=約0.11円)に達し、昨年9月の一般分譲で187世帯が売れ残った。だが今月9日の無順位抽選では14世帯の募集に対し、1208件の申し込みがあった。
首都圏地域では売れ残りの争奪が続いている。「コスパが悪い」と言われたマンションが、最近の分譲価格の上昇により「今が一番安い」という認識が広がったためだ。
高額な分譲価格で物議をかもした「トリウス光明」は最近、一般分譲の全世帯の契約を完了した。今月2日、売れ残り16世帯に対する無順位抽選の結果、合計1006件の申請があり、平均競争率は63倍を超えた。このマンションの専有面積84㎡の最高分譲価格は11億5380万ウォンで、高額分譲価格の論争により最初の未販売物件は100件を超えた。
一方、こうした現象は急騰する建設費と分譲価格だけが原因ではない。「オルチュクシン」、つまり「凍えても新築マンションにこだわる」という消費者層が存在するためだ。
MZ世代(1980年代~2000年代初旬の生まれ)は不動産市場の新たな需要層となった。韓国不動産院の今年1~5月の購入者年齢別全国マンション売買割合を見ると、20代・30代(29.90%)は40代(25.82%)よりも活発にマンションを取引している。
この層は既存の需要層よりも新築を好むことで知られている。不動産院による過去1年間の首都圏マンション年齢別価格動向調査の結果、「築5年以下」のマンション価格が最も高い上昇率(3.25%)を記録した。これに「5年超~10年以下」(2.73%)、「10年超~15年以下」(1.96%)、「15年超~20年以下」(1.41%)、「20年超」(0.42%)が続いた。
需要に対して供給が不足しているため、住宅価格の上昇も激しくなっている。江南三区、麻浦・龍山・城北を超えて江北地域でも高い上昇率を見せている。
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