アイスクリームを食べ過ぎるとおなかを壊すだけでなく、がんにかかる確率も高くなる――。フランス国立保健医学研究所やフランス国立農業研究所などの研究チームが2月、こんな研究成果を発表した。食品添加物として使われる特定乳化剤とがん発生に高い関連性があるというのだ。アイスクリームの乳化剤成分もこれに含まれるという。
乳化剤は油と水が分離することを防止し、食品の質感を向上させ、風味を良くする添加物だ。乳脂肪と材料をよく混ぜ合わせねばならないアイスクリームには乳化剤の添加が必須だ。
代表的な乳化剤にはグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチンがある。韓国では食品医薬品安全処が認めた乳化剤しか使えず、安全だとされてきた。しかし、最新の研究では、一部乳化剤はがんを誘発する可能性が高いことが確認された。
フランスの研究チームは2009~2021年に成人9万2000人を追跡観察。グリセリン脂肪酸エステルが含まれている製品を多く摂取する人は、摂取量の少ない人に比べてがんの危険性が15%増すことを突き止めた。特に乳がんと前立腺がんの発生リスクはそれぞれ24%、46%高かったという。
海藻類の中の乳化剤であるカラギナンを多く摂取した女性も、これを摂取量が少ないグループに比べて乳がん発生の危険性が32%高かった。
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