「1万ウォンを超えたのはいいが、1時間当たり170ウォン(1ウォン=約0.11円)上がっても、いったい何の意味があるんですか。物価上昇率を考えれば1万ウォンでは飲食店でまともに食事もできません。アルバイト探しがもっと難しくなるのではないかと心配です」
韓国で来年の時間当たり最低賃金が1万30ウォンに決まるなか、ソウルで働くコンビニアルバイトはこう嘆いた。
最低賃金委員会はこのほど、第11次全員会議で、来年度の最低賃金を今年より1.7%アップの1万30ウォンと議決した。月給基準では209万6270ウォン(週40時間・月209時間勤務)だ。
最低賃金導入以後、初めて「時給1万ウォン時代」が開かれたが、アルバイトらは「さらに上げるべきだった」という反応だ。
今年の最低賃金9860ウォンから1.7%(170ウォン)上がり、引き上げ幅は2021年の1.5%に続き2番目に小さい。
あるコンビニのアルバイトコミュニティには「物価上昇に比べて上げ幅が少ない」「もう少し上がると思ったが、あまりにも少ない」「クッパが最近9000ウォン程度だ。冷麺1杯食べるためには1.5時間以上働かなければならない」などという反応が相次いだ。
人件費が上昇することにより採用規模を減らされるのではと心配の声も出ている。
実際、一部コンビニ店主の間では各アルバイトの勤労時間を週15時間未満に分割して雇用するいわゆる「分割採用」や無人店舗への転換も考えているという意見が出てきている。
分割採用は勤労基準法上、週15時間以上働く勤労者に支給する週休手当てを回避し、自営業者の立場で人件費負担を減らす案だ。
ソウルのあるコンビニアルバイトは「勤務時間や人件費を減らす店が多くなるだろう。休みの間のアルバイトを探すのがさらに難しくなりそうだ」とこぼした。
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