本格的な梅雨が始まり、韓国・光州の都心の中に放置された老朽化した空き家に対する不安が高まっている。強い雨で屋根や塀が崩壊する事故も毎年発生し、人命被害につながりかねないという懸念も出ている。
光州市と各自治区などによると、光州地域で長い間放置されている空き家は計1405軒に達する。
長期放置された空き家は管理ができず、建物自体が老朽化し、梅雨時の豪雨による崩壊など事故の可能性も高い。人が住んでいないため、崩壊の前兆に気づくのも難しいうえ、崩壊事故が発生すれば、隣人や通行人に被害を与えかねないという指摘も出ている。
実際、10日には光州市東区山水洞の空き住宅の塀と屋根の一部が崩れ、前の家の外壁を覆う事故が発生した。人命被害はなかったが、前の家に住んでいた80代の高齢者が仮住まいに避難した。
昨年も光州都心のあちこちで梅雨期の豪雨で空き家と商店が崩壊する事故が相次いだ。昨年7月15日、南区月山洞の空き家住宅の塀が崩れ、16日には西洞にある空き家の屋根が崩れ、消防当局が対策に乗り出した。同月24日、東区忠壮路(トング・チュンジャンロ)の空きビルが崩壊したのに続き、27日には大仁洞(テインドン)の空き住宅が崩壊した。
雨のシーズンになると、老朽化した空き家の崩壊事故が相次いでいるが、体系的な管理と対策作りは容易ではないのが実情だ。空き家の大多数が放置されており、所有権が複雑な場合もあり、家主が自発的に家の修理など積極的な事故予防に取り組まないためだ。
地方自治体が空き家対策に乗り出し、撤去事業への協力を呼びかけているが、それすら難しい。住宅を取り壊してその敷地が「住宅のない土地」になると、譲渡税や財産税の割合が高くなるため、所有者が協力を拒んでいるためだ。
光州のある自治区関係者は「人口減少と首都圏集中などの現象により、長い間放置された空き家は着実に増えている。安全事故や治安悪化なども懸念される」と話した。
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