韓国の食品会社の実績が海外での売り上げに左右される中で、ラーメン3社がそれぞれ異なる戦略でグローバル市場に立ち向かっている。業界1位の三養食品は現地化戦略を通じて市場を攻略中で、農心は「体験」、オットゥギは「全社的対応」を通じて海外での売り上げを増やしたい考えだ。
韓国金融監督院の電子公示システムによると、三養食品、農心、オットゥギのラーメン3社の今年第1四半期の売上高は、海外での実績に左右された。
三養食品の第1四半期の連結売上高は3857億ウォン、営業利益は801億ウォンで、対前年同期比で売上高57%、営業利益は235%増となった。成長をけん引するのが海外での売り上げで、第1四半期は2089億ウォンと対前年同期比83%増だった。全体売り上げで海外部門が占める割合も75%に達する。
これを受け、株価も急騰した。三養食品の2日の終値は、今年初め(23万4500ウォン)に比べ159.7%上昇した60万9000ウォンだ。これは、米半導体企業「エヌビディア」の年間株価上昇率(152.2%)に迫る数値だ。時価総額は4兆5876億ウォンで、農心(2兆8163億ウォン)とオットゥギ(1兆6913億ウォン)を上回った。
三養食品は現地化戦略を展開したのが功を奏した模様だ。同社は人気製品である「プルダック」シリーズに各国消費者の味覚を反映した新製品を投入している。タイの「マラプルダックポックンミョン」、中国の「プルダックソースワンタンミョン」などが代表格だ。
三養食品の関係者は「アジア地域では国別戦略により現地市場での影響力を拡大し、米州、欧州、中東などの市場では販売先の拡大に集中している。海外には流通法人だけを置いて生産はすべて韓国内で進める。韓流の本拠地で生産したというプレミアムイメージと、製品の質を維持するためだ」と話した。
農心も海外での売り上げの割合を増やすことに力を入れている。今年第1四半期の売り上げで海外事業が占める割合は36.7%だ。同社は韓国を訪れた外国人観光客に自社ラーメンを体験できる機会を提供するマーケティングを展開している。
ホテルチェーン「スカイパークグループ」と協力し「タヌキのラーメン店」をホテルスカイパーク明洞3号店にオープン。客が希望するラーメンとトッピングを選び、店員が即席調理器で作って提供するシステムだ。
農心は、ホテルスカイパークの他支店にルームサービスで農心ラーメンを提供する案も議論中だ。明洞3号店ではルームサービスの提供がないからだ。同社関係者は「今回の協力は外国人観光客に我が社の製品を紹介する場を用意するものだ。国内消費者も行って体験して楽しめる空間だ」と話した。
オットゥギは全社的な対応を通じ、グローバル売り上げの拡大に力を入れる方針だ。同社の今年第1四半期の海外売上高は848億ウォンで、売り上げ全体の9.6%だった。ライバル社に比べると低調だ。オットゥギのファン・ソンマン代表は3月に開かれた定期株主総会で、今年の目標の一つにグローバル市場攻略の強化を挙げた。昨年末にグローバル事業部をグローバル事業本部に格上げし、本部長にはオットゥギのハム・ヨンジュン会長の姻戚であるキム・ギョンホ前LG電子副社長を迎え入れた。
オットゥギ関係者は「本部への格上げで規模が大きくなり、社内での割合も重くなった。投資余力が増え、年間売り上げ計画なども大きくなり、全社的次元で海外に力を入れるということを示していると言える」と話した。
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