韓国唯一の貨物専用航空会社であるエア仁川がアシアナ航空貨物事業部の新たなオーナーになった。大韓航空はアシアナ貨物事業部の売却を機に、アシアナとの合併を完了させる。
大韓航空は17日、取締役会を開き、アシアナ航空の貨物事業の売却優先交渉対象者に、エア仁川を公式に選定した。
大韓航空は選定の背景として▽事業買収時の取引確実性▽航空貨物事業の長期的な事業競争性維持や発展成長▽力のあるコンソーシアムを通じた資金動員能力――などを総合的に考慮したと明らかにした。
7月中にエア仁川と契約条件を協議して売却基本合意書を締結し、その後、欧州の競争当局の審査承認を受ける。
エア仁川は2012年に設立された国内唯一の航空貨物専門航空会社だ。アジア路線中心の短距離貨物運送の経験しかないという限界が指摘されている。一方で、国内初の貨物専門航空会社として専門性を打ち出した点が評価されている。
エア仁川はアシアナ貨物事業部の買収で一気に国内貨物事業者2位に浮上した。アシアナ航空貨物事業の市場占有率は第1四半期時点で19.4%と大韓航空に次いで2位だ。第1四半期の貨物の売り上げは3530億ウォンに上る。
現在、アシアナ航空は、自社の貨物機8機とリース3機などを含め、計11機の貨物機を運用している。エア仁川は今後アシアナ航空の中・大型貨物機と米国、欧州の長距離路線ネットワークなどを活用し、事業競争力を高めると見られる。
大韓航空関係者は「今回の優先交渉対象者の選定は、既存の競争環境を維持する一方、国家の基幹産業である航空貨物産業の成長のため、すべての面を総合的に考慮した」と説明した。
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