韓国の内需市場の低迷を打開するため、衣類メーカー各社が認知度の高い海外有名ブランドを次々と導入している。国内の衣類市場が低価格SPAと新しいブランドなどの高価格市場に二分化するなか、不況の中でも継続的な売り上げ成長を導く突破口を開くためだ。
最も積極的なのは新世界インターナショナルだ。今年だけで6つのブランドを販売すると予想される。新世界インターナショナルは上半期だけでスペインのラグジュアリー香水「ロエベパフューム」、フランスのノンアルコールビーガン香水「エルメティカ」、MZ系のエルメスと呼ばれる米国のラグジュアリーファッションブランド「ザ・ロウ」などを発売した。
9月には米国のモーターサイクルブランドである「ハーレーダビッドソン」の発売も控えている。ファッションをはじめ、香水部門で海外ブランドのポートフォリオを拡大したのだ。
ロエベパフュームは現在、ギャラリア狎鴎亭店に公式売場を、聖水洞にポップアップストアをそれぞれ運営している。ギャラリア店に比べ多くの商品を揃えた聖水ポップアップストアは予約制で運営されるが、オープン以来平日は平均300人、週末には500人余りが訪れるほど盛況だ。
新世界インターナショナルの関係者は「予想より初期反応が良く、一部の商品は完売になって再入荷される状況が続いている」とみる。ロエベパフュームは今年、2つの店舗をさらにオープンし、人気を維持していく。
システム、タイムなど独自の国内ブランドが強かったハンソムも海外ブランドの拡充に努めている。今年3月には米国のプレミアムデニムブランド「リダン(RE/DONE)」の国内初の単独店舗をオープンした。
先月末には聖水洞に米国のラグジュアリーライフスタイルブランド「キス(KITH)」の国内での初店舗をオープンした。2年あまりの努力の末、複数の事業者を抑えて韓国にキスを誘致したのだ。これはロンドン、パリ、東京に次ぐ4番目のグローバル売り場であり、アジアで2番目だ。「韓国もキス保有国になった」といニュースに来訪客が集中し、オープンラン現象が起こったりもした。
新規海外ブランドが初期にヒットし、これを導入した国内ファッション企業の期待も高まる。海外ファッションブランドを通じて得た利益で、国内の自社ブランドを育てるのに投資できるからだ。海外ファッションが国内ブランドの売り上げアップを導く連鎖効果を期待している。昨年下半期の海外旅行需要増加などの余波で衣類業界全般で売り上げが不振だったため今年はベース効果が現れるだろうという観測が出ている。これに備え、各企業も顧客の目を引くことができる体験中心のポップアップショップをオープンし、売り上げ上昇に力を入れている。
あるファッション業界関係者は「景気変動により脆弱なブランドが発生するため、ブランドポートフォリオを多角化することが重要だ。不況にも強いコアブランドを育てることが目標」と説明した。
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