韓国の現代自動車が米国で電気自動車(EV)の販売強化に乗り出す。自動車業界筋は3日、現代自動車が第4四半期中の10月ごろから米南東部ジョージア州サバンナにある「メタプラント・米国(HMGMA)」でアイオニック5を生産する予定だと明らかにした。税額控除を受けるアイオニック5が市場の勢力図を変えるものと期待されている。現在、現代自動車はリースの場合にのみ補助金を受けて販売しているが、現地生産で個人消費者市場も拡大する見通しだ。
現代自動車は「メタプラント」でアイオニック5を生産することで、7500ドルの連邦税控除資格を得ると見込んでいる。現代自動車はこれまでアイオニック5を韓国内で生産して米国に輸出していたため、通常の税額控除は対象外だった。
ただし、米国のインフレ抑制法(IRA)により、消費者がリースを利用すれば控除の対象となるため、現代自動車は商業用リースの割合を増やした。同社の電気自動車リースの割合はIRA発効前に5%に過ぎなかったが、3月には40%を超えた。これに異を唱えたのが米連邦議会調査局(CRS)だ。CRSは3月に報告書「リース電気自動車に対する税額控除の特例」を発表。アイオニック5をリースで契約する場合は「電気自動車リース・ボーナス7500ドル」を受け取ることができると現代自動車が広告していることを取り上げ、現代自動車の戦略を牽制するような動きを見せた。
そのような中でも、現代自動車米国法人の先月の総販売台数は7万8485台と、堅調な成長率を示した。アイオニック5は82%、アイオニック6は13%ほど増加傾向を示した。 特に、アイオニック5は過去最高の販売台数を記録した。
現代自動車はこのような好調が第4四半期も続くと予想する。現代自動車北米圏域本部長のホセ・ムニョス最高運営責任者(COO)は北米自動車業界専門メディアとのインタビューで「今年最大の成長は電気自動車だ。業界が約3%の成長にとどまる中で、私たちは51%成長した。私たちは市場をりょうがしている」と話した。
現代自動車は、米国で生産するアイオニック5にまず韓国SKグループ傘下の「SKオン」が生産した欧州産バッテリーを使用すると明らかにした。そしてその後、韓国バッテリー大手「LGエネルギーソリューション」の現地工場が稼動すれば、バッテリーを含むすべての部品の現地化で、全量税額控除を受けると強調した。
メタプラントではアイオニック5を手始めに、現代自動車とジェネシス、起亜自動車の計6モデルを生産する予定だ。この工場は30万台の電気自動車の生産能力があるが、需要に応じて最大50万台まで増やせる。業界関係者は「現代自動車グループの新工場が競争力をいっそう高めるだろう」とし、下半期の業績アップを予想した。
ホセ・ムニョスCOOは「我々はまだ30万台の生産規模の第1段階作業を進めている。当初ハイブリッド車は生産されないだろうが、運営が軌道に乗ればハイブリッド車を含めるために努力する。生産と供給が安定し、より多く供給できるなら、我々は昨年の販売台数を超えるだろう」と自信を示した。
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