大韓航空とアシアナ航空の企業合併手続きが予想より遅れている。5月中に運輸権の移管と貨物事業部の売却手続きがある程度完了するという予想とは異なり手続きが進まず、6月にすべて持ち越されることになった。
国土交通省が立法予告した「国際航空運輸権及び領空通過利用権配分などに関する規則」改正案は法制処審査を経て、近いうちに官報掲載(公布)を控えている。
この改正案は同省が大韓航空-アシアナ航空の企業合併に伴う運輸権配分のために発議したもの。欧州連合(EU)の競争当局は、企業合併の条件として統合大韓航空の運輸権の一部を代替航空会社であるティーウェイ航空に移管することを掲げたが、これまでの案にはこれに関する根拠がないためだ。
当初、パリ五輪(7月26日~8月11日)1カ月前の6月26日、ティーウェイ航空パリ就航を目標に必要な手続きが終わると予想されたが、現在のところ基本となる改正案も公布されていない。公式的にはティーウェイ航空がまだ欧州のどの路線にも就航できていないわけだ。
肝心なのは同省が改正案公布以後、複雑になった運輸権と関連した状況をどのように解決するかだ。仏航空当局が、両国協定を根拠に3つの航空会社の就航に反対しており、配分する対象である「パリ運輸権」が準備されていない。通常、同省は両国間に運輸権が明確に確保された状態でのみ運輸権を配分する。
このため、就航日程を公式化できなかったティーウェイ航空は、十分な集客もできないまま路線を開設するおそれが高まった。
航空会社は国土交通省に路線を分配された後、少なくとも就航3~4カ月前には集客を始める。ティーウェイ航空はまだチケットを販売することができず、限定的な広告しか打っていない。
現状では▽国土交通省の改正案が公布され次第、まずは運輸権配分に着手する▽ティーウェイ航空が就航を一定期間、延期する――の2つの選択肢がある。同省は、仏当局と交渉にはデッドラインがなく、改正案公布後の運輸権の配分スケジュールも決定されていないという立場だが、その判断は同省にかかっている。
もちろん、ティーウェイ航空が損害を覚悟してでも破格的にプロモーションを展開し、運輸権を取得次第、急いで就航するという方法もある。
また、EU競争当局の企業合併条件であるアシアナ航空貨物事業部の売却も遅れている。貨物事業部の本入札にはエアプレミア、イースター航空、エア仁川(インチョン)が参加した。大韓航空は5月中に優先交渉対象者を選定する計画だった。
有力候補だった済州(チェジュ)航空が撤退し、売却する側の悩みも大きくなった。最終的な売却はEU競争当局の承認手続きを経る必要があるため、EU側の承認を得られる候補が必要だ。
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