2024 年 11月 26日 (火)
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「選択ではなく必須」…食品業界、新年の経営テーマは「ESG」(下)

SDGs~韓国の取り組み

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韓国の食品業界で環境・社会・企業統治(ESG)経営が進められるなか、さまざまな社会貢献活動も展開されている。

「CJ第一製糖」は消費者が使ったレトルトご飯「ヘッパン」の容器を直接回収する「地球のための私たちの容器」キャンペーンを進める。キャンペーンは、ヘッバンの「アップサイクリング」(Upcycling=創造的再利用)だけでなく、低所得層の雇用創出と収益源も確保する共有価値の創造(CSV)事業を基盤にしている。

地域の農家と足並みを揃えた活動もある。

「SPCグループ」は昨年2月に忠清南道(チュンチョンナムド)論山(ノンサン)市と締結した「ESG幸福共生プロジェクト」をさらに発展させ、論山の農業青年が育てた「ビタベリー」品種を活用した新製品を発売した。SPCグループは論山の農家が栽培するイチゴ80トンを買い入れる計画だ。

「プルムウォンフードマス」は「京畿道(キョンギド)・優秀農食品使用拡大のための業務協約(MOU)」を締結した。同社と京畿道は今後、道内の優秀な食品に対する認知度を高め、販路や使用拡大に協力することにした。

「フレッシュイージー」は慶尚北道(キョンサンプクド)と「フレッシュイージー・慶尚北道農畜水産物購買約定および業務協約」を締結した。

同社と慶尚北道は業務協約を通じて▽農産物の需給安定・適正価格での購入▽地域の農特産物を活用した「ミールキット」(食材セット)の新製品開発▽農特産物の新規販路開拓とマーケティング活性化支援――など多様な分野で協力していくという。

◇ESG経営強化

ESGの「企業統治」の改善作業も続いている。垂直的な組織体系を水平に変化させることでESG経営を強化し、持続可能な経営環境を構築することに力を注いでいる。

「CJグループ」は昨年末、組織再編を通じて役員職級を統廃合。社長、総括副社長、副社長、副社長待遇、常務、常務待遇に分かれた6つの役員職級を「経営リーダー」という単一職級に簡素化する。

CJグループのイ・ジェヒョン(李在賢)会長が強調した「人材論」の延長線上として進められた。CJは昨年11月初め「C.P.W.S(Culture、Platform、Wellness、Sustainability)」の4大未来成長エンジン中心の革新成長戦略を提示する際、人材の重要性を強調していた。

「CJ第一製糖」は「2050年炭素中立およびゼロ・ウェイスト実現」を宣言した。そのための2030年の中長期目標や戦略などを盛り込んだロードマップを樹立し、取締役会から承認を受けた。

気候変動に対応する報告書も発刊した。CJ第一製糖は▽事業場の脱炭素エネルギー転換▽製品とソリューションの環境にやさしい革新▽供給網・協力会社などバリューチェーン全般のグリーンパートナーシップ構築――など3大核心戦略を土台に温室効果ガス・エネルギー・水・廃棄物など各領域別に12の課題を導き出した。

「CJフレッシュウェイ」はESG委員会を発足させる。理事会傘下で、ESGの主要案件を審議・議決する。チョン・ソンピル代表取締役と社外取締役3人の計4人で構成されている。

委員会はESG活動を拡大していくうえで中枢的な役割を担う。同社は委員会のほか、経営陣中心のESG協議体、実務陣中心のESG実務協議体などを構成し、体系的なESG経営を展開する計画だ。

「オリオン」は「グローバル炭素排出統合管理システム」を導入した。国内だけでなく海外法人まで炭素排出量を統合管理するオンラインシステムだ。

同社は国内外の事業場と生産工場の温室効果ガス排出量、排出施設の現況などの主要データを効率的に管理し、グループレベルの年間炭素排出量目標を設定して、データの統合管理と温室効果ガス低減を実行する計画だ。

食品業界の関係者は「ESG委員会設置を含め、環境にやさしい製品の発売を通じて、社会的価値を高め、ポストコロナ時代に備える企業が増えている」と分析する。

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