化石燃料は現代で最も多く使われている燃料だ。石油、石炭、天然ガスなどが代表的だ。特に石油は長い間「代替不可燃料」として位置づけられ、現在までも経済・産業などに大きな影響を及ぼしている。
限界もはっきりしている。無制限ではないうえ、生産過程から出る二酸化炭素が深刻な地球温暖化を引き起こし、気候変動をもたらす。国際社会が代替燃料の研究開発に注力している中で「バイオ燃料」が注目されている。
バイオ燃料とは、生物を活用してエネルギーを得られる燃料を意味する。カーボンニュートラル、化石燃料使用量の削減、資源循環などのメリットがある。
バイオ燃料の中では菜の花など、油がよく出る植物から軽油と類似した油を得る「バイオディーゼル」が最も一般的だ。
韓国国内では現在、一般軽油に約4%のバイオディーゼルを混ぜて使う義務混合比率政策を実行中で、2030年には8%まで引き上げる予定だ。
植物を使うほか、さまざまな方式で作ったバイオ燃料も実生活で簡単に見つけることができる。飛行機に使われる「バイオ航空燃料」が代表的だ。
バイオ航空燃料は廃食用油、生活廃棄物などを原料に作った環境にやさしい航空燃料で、従来の化石燃料の航空燃料に比べ最大80%まで炭素排出を節減することができる。国内では昨年、大韓航空とGSカルテックスが業務協約を結び、バイオ航空油の実証運航を推進したこともある。
海運業界でもバイオ燃料を活用中であり、韓国の精油会社がバイオ燃料生産設備の新設に乗り出し、年内に市中のガソリンスタンドでバイオ燃料が販売されるようになる見通しだ。
バイオ燃料の材料となる原料市場も拡大傾向を見せている。市場調査機関のプレシデンスリサーチによると、昨年、世界のバイオ原料市場の規模は1239億ドルだったが、年平均7%成長し、2033年には2433億ドル規模へと成長するものと見込まれている。
バイオ燃料の使い道が広がり、主要国ではバイオ燃料産業拡大のための関連法案づくりに取り組んでいる。韓国では8月からバイオディーゼルと持続可能航空燃料などバイオ燃料の基準を明確に区分する「石油代替燃料事業法」が施行される。欧州では2025年から飛行機の燃料にバイオ燃料を混ぜて使う制度を実施する。
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