韓国慶尚北道亀尾市にある「ペット養子縁組センター」。玄関を開けるやいなや、キャンキャン鳴く子犬たちに囲まれた。しきりに手を舐めてくる子犬がいた。5歳のマルチーズの「ミミ(メス)」だ。人なつっこく、体をこすりつけてくる。
ミミがセンターに来たのは今年3月。亀尾市のあるマンションで、飼い主の60代女性のA氏が、4階のベランダから外にミミを放り投げた。ミミは奇跡的に助かったが、肋骨が砕けた状態だった。
以前にもミミは命の危機を迎えていた。2022年1月、A氏が犬を鞭打ちしているとして、近隣住民が通報した。昨年の冬には、マンションの外で全身が凍りついたような状態で発見された。
ペット救助協会のチェ・スンフン代表は「虐待が疑われても、具体的な状況が把握できなければ、対応は難しい」とし、「凍死直前に発見された際も、飼い主が『玄関のドアが開いていて、逃げ出した』と主張し、隔離できなかった」と話した。
亀尾警察署は先月、A氏を動物保護法違反で検察に送致した。飼い主は「犬が手を噛んだので、腹が立って投げてしまった」と供述した。
センターにはミミの他にも、虐待されたり、飼い主に捨てられたりしたペット5匹がいて、養子縁組を待っている。
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