米起業家イーロン・マスク氏が率いる宇宙会社スペースXが2018年、「ファルコン9」を打ち上げた。これまで数多くのロケットが宇宙に向かうなかで、ファルコン9は世界的な注目を集めた。打ち上げられてから、方向転換、逆噴射して地球への帰還に成功した。一度限りの「使い捨て」だったロケットがリサイクルできるということを証明し、宇宙航空産業のパラダイムシフトをもたらした。同時に民間宇宙航空市場も本格的に開かれることになった。
グローバル企業各社は宇宙航空市場を先取りしようと、次々に参入している。主要国の宇宙航空産業の関連予算も年平均9%程度増えている。宇宙航空市場が拡大することに早くからかんづいていた韓国の資産運用会社「NHアムンディ資産運用」は、優良宇宙航空企業を選別して集中投資する2022年「グローバル宇宙航空ファンド」を出していた。発売から現在まで50.67%(アンヘッジ-UH)の収益を上げ、グローバルの主要指数を上回っている。
「民間宇宙プロジェクトは、宇宙航空産業の新たなビジネスモデルを提示しながら市場拡大を目指している。超富裕層も宇宙航空市場をブルーオーシャン(新たな市場)と見て、続々と参入している」
グローバル宇宙航空ファンドを運用するNHアムンディ資産運用パッシブソリューション部クオンティティ運用チーム長のクォン・ヨンフン氏はこう解説した。
クォン・ヨンフン氏はベテランファンドマネージャーだ。KB資産運用、国民年金公団などを経て、2020年、NHアムンディ資産運用に入社した。
ロケット発射費用が大幅に低減されたことを契機に商業宇宙時代が本格的に開かれたと確信しているという。「宇宙航空産業全般のマージン率が大きく改善され、事業性も確保された。その中で年平均10%以上成長すると予想される衛星通信、発射体分野が爆発的に伸びている」。クォン・ヨンフン氏はこうみる。
低軌道衛星時代が開かれ、人工衛星の数も大幅に増えるとみられる。スペースXは宇宙インターネット構築のために最終的に4万2000個の衛星打ち上げを目標に立てた。米銀大手バンク・オブ・アメリカは2030年までに、グローバル宇宙航空市場が1兆4000億ドル規模に拡大すると予測した。
クォン・ヨンフン氏も「過去には発射失敗率を下げることに目標を置いてきた。だが、今は創造的革新で、高い宇宙航空技術力を持つグローバル企業が注目されている。民間が主導する『ニュースペース(New Space)』時代には宇宙ベースのインターネットサービスなどが登場するだろう」と強調した。
クォン・ヨンフン氏が運用するグローバル宇宙航空ファンドは、先進国や韓国市場の優良宇宙航空関連企業に集中投資する。金利引き上げで証券市場が低迷した2022年にも良好な成果を出した。2022年KOSPI(韓国総合株価指数)が24.9%下落した半面、このファンドのベンチマークである「ファクトセットグローバル宇宙航空指数」は10.7%上昇した。
クォン・ヨンフン氏は「宇宙航空産業が前途有望なメガトレンドに浮上しているため、長期的な成長に集中する投資家にとってこのファンドは有効な選択だ」と強調している。
グローバル宇宙航空ファンドは現在まで532億ウォンが集まり、NHアムンディ資産運用の代表的な公募ファンドとして位置づけられた。投資家は米ドル資産に対するヘッジ(危険回避)の有無によってヘッジ(H)・アンヘッジ(UH)クラスに加入できる。個人的な財政目標やリスク性向に応じて税制上の優遇を受ける退職年金やISA(総合資産管理)口座で投資が可能だ。
(c)MONEYTODAY