2024 年 12月 27日 (金)
ホームエンターテインメント“韓流事務所紛争”の背後に「マルチレーベル」…HYBEを巨大にしたそのシステムとは?

“韓流事務所紛争”の背後に「マルチレーベル」…HYBEを巨大にしたそのシステムとは?

(c)MONEYTODAY

12兆ウォン(約1兆3500億円)――韓国ハナ証券が最近つけた、芸能事務所大手「HYBE(ハイブ)」傘下の4つの核心レーベルの企業価値だ。2025~26年の実績を基準にBIGHIT MUSIC(6兆1000ウォン)、PLEDIS(2兆7000億ウォン)、ADOR(2兆ウォン)、BELIFT LAB(1兆3000億ウォン)という計算だ。

HYBEはグループ「防弾少年団(BTS)」をワールドスターにしたものの、2020年の上場当時、単一アーティストの割合が高いという指摘を受けた。相前後して、2019年にSOURCE MUSIC、2020年にPLEDIS・KOZエンター、2021年にADORを設立、2023年にBELIFT LABの持分追加買収などで規模を拡大した。

「マルチレーベル」システムは2022年12月にBTSメンバー、ジンの軍入隊から始まってグループでの活動が止まった後も、HYBEの実績をけん引するという“親孝行”をした。この3年間、ENHYPEN、NewJeans、TWS、ILLITなど8グループがデビューした。その成果により、HYBEは連結売上額が2021年に1兆2559億ウォン、2022年に1兆7761億ウォン、2023年には2兆1781億ウォンと、毎年、史上最大を記録した。

◇HYBEマルチレーベルが育てたADOR、超高速成長

HYBEのパク・ジウォン代表は2月、コンファレンスコールで「HYBEのマルチレーベルシステムは特定アーティスト・レーベルの依存度を減らしていくために、各レーベルが独立的に運営され、レーベル間の競争と協力がなされるように設計された」と自信を示した。

過去のレーベルシステムについては多様なK-POP企画会社が試みたが、HYBEのように成功事例を立証することはできなかった。そのため、今年の業績発表後、HYBEのマルチレーベルシステムはさらに注目された。ハナ証券は16日、「NewJeansに見るマルチレーベルの価値」という報告書も発刊している。

ハナ証券のイ・ギフン研究員は「最も成長潜在力が高いレーベルはADOR。過去最短期間(1年半)のうちに年間売上額1000億ウォンを達成するという、前例のない速度で成長している」と評価した。

また、ビルボードHOT100、200の成果を比較すれば、NewJeansがBLACKPINK水準に成長するものと期待される。ハナ証券が分析したBLACKPINKのカムバック後、ワールドツアーまで約1年半の間、売上高は3500億ウォン。2025年のADORの予想売上高と営業利益は3000億ウォン、9000億ウォンと、それぞれ見積もられている。

◇独立経営ではなく「独立戦争」の火種に

しかし、HYBEの強みであるマルチレーベルシステムは、むしろADORのミン・ヒジン代表との紛争の種になったという見方になっている。

買収または分割設立した他のレーベルとは異なり、ADORはHYBEが2021年に154億ウォンを出資して設立した。約3年でHYBEが保有する持分価値は1兆8000億ウォンになった。一方、ミン・ヒジン代表は昨年、コールオプション(株式を決まった価格で買うことのできる権利)を行使し、持分18%と成果金を受け取った。

HYBEは22日、ADORのミン・ヒジン代表と役員A氏らに対する監査権を発動した。HYBE監査チームは、ADOR経営陣の電算資産を回収・分析し、経営権分離策を整理した文書などを捜し出した。

この文書には、HYBEが保有している80%の持分をグローバル国富ファンド2カ所が買収するようにする案▽HYBEの持分売却説得のための内部に友好勢力を確保に関する内容――が盛り込まれているという。また、HYBEは、ADOR経営権奪取の謀議内容、事業上の秘密流出などに対する事実関係を問う質疑書をミン代表とA氏らに送った。

これに対し、ミン代表は、一部のメディアを通じて、今回の葛藤がILLITがNewJeansコンセプトをコピーしたことで発生したと主張している。ILLITに関連してHYBE内部で公式に問題を提起したものの、逆にHYBEから監査権を発動されるという形となった。

◇パク代表「マルチレーベルシステムを補完する」

HYBEのパク・ジウォン代表は同日、社内メールで、ミン代表の主張に対して「今、問題になっている件はILLITのデビュー時点とは関係なく、事前に企画された内容という点を把握した」と明らかにした。

パク代表は「会社を乗っ取る企みが明確になった事案であり、これを確認し、ただすために監査を始めた」と表明した。

ただ、紛争の種になったマルチレーベルシステムについては「今回の事案をうまく終え、マルチレーベルの高度化のためにどんな点を補完しなければならないのか考え、改善する」と述べるにとどめた。

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