イランによるイスラエルへの軍事行動で国際原油価格が急上昇する見通しだ。さらに、米国の金利引き下げ期待の後退で、ウォン/ドル為替レートは17カ月ぶりのウォン安を記録した。
原油高・ウォン安現象は経済全般に否定的に作用する。輸入原材料価格を押し上げて貿易収支を悪化させ、企業の生産原価を高める。最近、追い風に乗っていた輸出を制限する要因だ。
中東地域の紛争は、国際原油価格を押し上げる要因となっている。国際原油価格は年初から強含みで、ドバイ油・ブレント油の価格が最近1バレル当たり90ドルを超えている。
このほか▽産油国協議体OPEC+の減産▽ロシア・ウクライナ石油インフラ攻撃▽米国ガソリン価格急騰▽中国・インドなど原油需要回復期待――などで上昇傾向を示した。中東の不安によって、国際原油価格の短期的に急騰する可能性がある。
国際原油価格変動は通常2~3週間程度の時差で韓国国内ガソリンスタンド価格に反映される。当分の間、国内のガソリン価格の上昇が予想される。
原油価格の上昇は運送費などの負担を増やして物価を押し上げる要因だ。政府が今月末で終了する油類税引き下げ措置(ガソリン25%・軽油37%)を6月末まで延長する可能性が高い理由だ。
さらに、ウォン安ドル高まで加わり、輸入物価も刺激している。12日のウォン/ドル相場は1ドル1375.4ウォンで取引を終えた。年初来ウォン相場の最低値を更新した。17カ月ぶりの水準だ。米国の物価が予想より高くなり、連邦準備制度(Fed)の金利引き下げの期待が減った影響だ。
原油価格が上がれば、公共料金も変動する。韓国電力公社が発電会社から電気を購入する価格である系統限界価格(SMP)が原油価格上昇の影響を受けて高くなれば、財務構造上の打撃が避けられない。政府は下半期に韓国電力と韓国ガス公社の財務状況、国際燃料価格などを考慮して電気・ガス料金の追加引き上げを検討する。
(c)news1