Startup Story ~~ 成功のカギ
マイナー ホン・ゴンピョ代表
「スマートフォンのスクリーンショットを見れば、その人の最近の関心事がわかります。スクリーンショットデータを分析して、ライフスタイルのプラットフォーム企業に成長するのが目標です」
マイナーのホン・ゴンピョ代表は昨年12月22日、スクリーンショット管理アプリ「ショットタグ」の英語バージョンをグーグルプレイで公開した。
スクリーンショットとは、スマートフォンの画面を保存する行為。利用者がスマホでSNSやインターネットショッピングをする際、記憶しておきたい画面を保存するために使う。だが、必要な情報をあとから呼び出すには、アプリで一つ一つ探さなければならない煩雑さがある。
「ショットタグ」は、スクリーンショットの数字や文字などを人工知能(AI)が抽出して認識し、ユーザーが直接入力した情報などをタグとして保存する。このため、ユーザーは検索機能を通じて希望するスクリーンショットを直ちに見つけ出すことができる。また、ショットタグはユーザーの関心分野や好みをAIで分析し、分類基準になるタグも紹介してくれる。
ホン代表はアプリ開発の狙いを次のように語る。
「10~20代、Z世代は、共有と保存の目的でスクリーンショットを活用しています。消費の主力に成長するZ世代を攻略するためのデータとして、スクリーンショットの価値が高いと判断しました」
◇新型コロナで「キャンパスへのロマン」を「創業」に
ホン代表は俗に言う「非運の入学年度」だ。
2020年、ソウル大経営学部に入学した。だが新型コロナウイルス感染拡大で“キャンパスのロマン”を享受できなかった。授業はほとんどオンライン、サークルやボランティア活動もままならなかった。
そこで創業を決心した。2020年6月、韓国科学技術院(KAIST)電算学部に通っていたチョン・グイル氏らと会って創業アイテムを発掘し、2021年3月、「ショットタグ」の開発決定とともに「マイナー」を創業した。
「目に見えない価値を鉱夫(miner)のように掘り出す」――これが「マイナー」という社名に込めた思いだ。消費者がきちんと活用できずに捨てられるスクリーンショットのようなデータを集め、有用なサービスに発展させるのだという。
ホン代表のビジョンは明確だ。
「スクリーンショットは、ユーザーの正確な関心事が盛り込まれています。単なるサイト訪問、検索の記録というものを超えて、ユーザーの深い関心事を知ることができる直感的なデータといえます。第1段階でユーザーを確保し、第2段階でタグ情報をもとに既存のショッピングアプリと提携して、収益モデルを構築する計画です」
◇上半期に投資誘致
「マイナー」は、現在は英語と数字だけを認識するショットタグをさらに高度化させ、韓国語バージョンを今年上半期に公開する計画だ。「長期的には、テキストではない、イメージや人も認識して検索できるよう、技術を高度化する予定です。最も効率的なデータであるスクリーンショットのすべてを認識、分析できるアプリを作りたいと思います」。ホン代表は先を見据える。
このためにマイナーは、上半期の投資誘致も進める予定だ。昨年4月と8月、アクセレレーター「Spring Camp」から投資を受け、同年7月にはKB金融グループのスタートアップ育成プログラム「KBスターターズ」に選定され、「KBイノベーションハブ」に入った。
「韓国語版をリリースしたあと、週間のアクティブユーザー数を10万人にすることを目標にしています。今年はユーザーを確保し、来年は段階的な投資を誘致します。捨て去られるデータを生かし、ライフスタイルをより際立たせるサービスを提供する会社として発展していきたいです」
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