韓国総選挙に絡み、中央選挙管理委員会が5日、「投票所への長ネギの持ち込み禁止」を決定して波紋が広がっている。長ネギを「政治的表現物」とみなすという判断をしたためだ。
発端はユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領の発言だ。先月18日、大統領はソウル市内のスーパーを訪れた際、長ネギ1束(1キロ)が特別割引価格の875ウォンで販売されているのを見て「長ネギ1束875ウォンなら合理的な価格だ」と口にした。通常の長ネギ1キロ当たりの平均価格は2500ウォン程度であるため、野党からは「ユン大統領は物価を知らない」との批判が上がった。
こうした経緯もあり、中央選管は各地の選管に投票所で発生し得る問題への対処法を案内する文書を通知、そこには「長ネギを所持している選挙人には、適切な場所に長ネギを保管したうえで投票所に入るよう案内すること」と書かれ、長ネギを事実上、「政治的表現物」とみなして、投票所内への持ち込みを禁じたという指摘が起きた。
この措置が騒動になると、中央選管は6日、特定物品の持ち込み自体が制限されるわけではないとしながらも、選挙に影響を及ぼす恐れがある物品を投票所の外に置いてから入るよう案内し、事態の沈静化に乗り出した。
共に民主党は、選管の長ネギ持ち込み禁止は自由侵害だと批判している。イ・ジェミョン(李在明)代表は「ネギの持ち込みを禁止して嫌がらせをしている」と皮肉った。
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