韓国の現代自動車・起亜自動車は3日、配送ロボット「DAL-e Delivery」のデザインイメージと映像を公開した。今年第2四半期からイージス資産運用の「ファクトリアル聖水(ソンス)」にDAL-e Deliveryを導入し、入居者の便宜を大幅に向上させる。
ソウル市城東(ソンドン)区に位置するファクトリアル聖水は4月に入居を開始するスマートオフィスビルで、昨年5月に現代自動車・起亜自動車はイージス資産運用とロボット親和型ビル事業化のための業務協定を締結した。
DAL-e Deliveryはオフィスやショッピングモールなど複雑な場所でも配達できるロボットで、2022年12月に現代自動車・起亜自動車が公開したホテル配送ロボットを改良して開発された。
DAL-e Deliveryは、以前のホテル配送実証実験を基に複雑な建物内でも素早く安定的に配達できるようにデザインおよび性能が大幅に強化された。
現代自動車・起亜自動車は角が丸い四角柱の形でデザインし、洗練された高級感を漂わせた。最小限のセンサーだけを露出させ、重心を下段に置いて安定性を高めた。
DAL-e Deliveryは、4つの「プラグ・アンド・ドライブ」と呼ばれるモジュールをベースに最大時速4.32キロと、大人の平均歩速と同様のレベルで移動する。
「プラグ・アンド・ドライブ」は米ラスベガスのデジタル見本市「CES2022」で初めて公開されたモビリティーソリューションで、この技術が適用されたDAL-e Deliveryは混雑した空間でも障害物を認識し、素早い回避走行が可能だ。
現代自動車・起亜自動車は狭い通路でもスムーズに走行できるように、従来のホテル配送ロボットに比べてDAL-e Deliveryを小型化する一方で内部積載空間は拡張した。10kgまで物を積載できる空間には、箱形の物品だけでなく、コーヒーを最大16杯搭載できる。
現代自動車・起亜自動車はDAL-e Deliveryの荷台内部にほのかな照明を設置し、受け取る人がドアを開く前に配送物品を事前に確認できるようにした。ドアが開くと、収納トレイが前に出てきて、手を入れなくても物を取り出すことができる。
DAL-e Delivery最大の特徴は、建物のエレベーターや出入り口の管制システムと連動し、ロボット自ら建物全体の階を行き来しながら配送するという点だ。また、リアルタイム最適経路選択で早い配送サービスを実現した。
DAL-e Deliveryは目的地に到着すると、カメラで受け取る人を認識し、自動的にドアを開ける。現代自動車・起亜ロボティクスラボで独自開発した人工知能顔面認識技術を適用した。ロボティクスラボの顔面認識技術は99.9%の正確性を誇り、韓国インターネット振興院から公式認証を受けて技術力を立証した。
現代自動車・起亜自動車は、DAL-e Deliveryにサービス状況を示す11.6インチの高解像度ディスプレイを装着した。画面では目的地、運営現況などが表示され、周辺の人々もロボットの状況を直観的に理解することができる。利用者に親近感を与えるために多様な表情が現れたりもする。
現代自動車・起亜ロボティクスラボ長のヒョン・ドンジン常務は「今後、オフィスやショッピングモールなど多様な空間に事業を拡大する計画で、各インフラと連動して空間オーダーメード型配送サービスを提供する」と明らかにした。
(c)KOREA WAVE