韓国政府は、今年の大学入学試験から増える医科大学の定員2000人をほとんど地方の医学部に割り当てたことで、存続の危機に瀕している地域必須医療が今後復活するかどうか注目される。重要な点は必須医療従事者が増えなければならず、地方医大を卒業した後、地域に留まるように根本的な対策が必要だという指摘もある。
政府は20日午後、医大増員2000人について2025学年度大学別配分結果を発表した。非首都圏27大学に1639人(82%)、京畿道(キョンギド)・仁川(インチョン)地域の5大学に361人(18%)を割り当てた。ソウル所在の8大学には1人も割り当てられていない。教育省は「ソウル地域の医療環境は十分だ」という理由を挙げた。
今回の決定で、医学部の定員が49人の忠北(チュンボク)大学は200人に増え、4倍以上定員が拡大された。ソウル大学(135人)、延世(ヨンセ)大学(110人)など、従来のソウルの主要医学部よりはるかに多くなった。江原(カンウォン)大学(49人)は132人、済州(チェジュ)大学(40人)は100人に増えた。
突然の医学部定員の拡大に医学界は、施設、機材不足と、教える教授陣が十分でなく、医学教育の質が落ちる可能性があると懸念している。忠北大学医学部・病院教授非常対策委員会側は「1970年代の国民学校の授業のように午前クラス・午後クラスに分けて講義しなければならないが、これは型枠に材料を流し込んで焼き菓子を作るように医師を養成すること」と批判した。
定員が40人から120人に増えた、ある首都圏医学部必須診療科教授は「医学部を通わせたい場合、中学校3年生の時から地方に行って暮らす家庭もでてくる。急激な増員が医学教育には悪影響を及ぼしかねない」と今回の措置を皮肉った。
(c)news1