韓国で「国民学校」を「初等学校」に変えたように「幼稚園」も「幼児学校」に変えなければならないという主張が再び教育界から出ている。関連法案が国会に発議されたが、まともな審議なしに放置されており、廃案の危機に直面している。
「幼稚園」は教育分野に残っている代表的な日本の植民地時代の残滓だ。日本の学者たちがドイツ語の「キンダーガルテン」(kindergarten)を「幼稚園」と翻訳したことに由来するという。韓国の幼稚園の歴史も、日本の植民地時代、日本人の子どもの教育のために作ったことから始まった。
日本による植民地時代の時に使っていた用語を解放後にも引き続き使った事例は「国民学校」が代表的だ。ここで「国民」は「皇国臣民」を意味する。国民学校は「植民地の残滓を清算し、民族精気を正す」という趣旨で1995年「初等学校」に変わった。以後30年になるが、日本式の用語である幼稚園は今も使用している。
植民地の残滓という理由だけでなく、幼児教育の認識向上と責務強化のためにも幼稚園の名称変更が必要だと教育界は指摘する。幼稚園で「幼稚」は「年齢が幼い」ということだけでなく「水準が低いか未熟だ」と蔑む意味を含んでいる。
幼稚園を「幼児学校」に変えようということは20年余り前から教育界が要求してきた課題だ。韓国教員団体総連合会(教総)などが2002年、幼児教育発展案を建議し「幼児学校」に名称変更を要求した。
幼稚園を幼児学校に変える法改正は2度推進されたが、実現しなかった。2009年と2014年に幼児教育法改正案が発議されたが、国会任期満了で廃案になった。教育省も2004年の幼児教育法制定当時、幼稚園の名称を幼児学校に変更する案を推進したが、保育関係者の反発で保留となった。
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