2024 年 12月 28日 (土)
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韓国防衛産業、サイバーセキュリティーへの取り組みを「企画段階」から

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韓国で新たに開発される兵器体系に、サイバーセキュリティーの危険を管理する「RMF(Risk Management Framework)」が適用される。韓国国防省は3月に関連内容を公示し、7月から本格的に取り組む計画だ。RMFは武器体系がサイバーセキュリティーの脅威からどれほど安全かを評価する制度だ。

昨年、173億ドルという史上最大の輸出額を達成した韓国防衛産業がRMFを導入すれば、サイバーセキュリティーが強化され、競争力を高めることができる。

RMFは、国防分野に導入される各種兵器体系の企画段階から導入され、廃棄までの全段階でセキュリティーリスクを管理する制度だ。米国の国立標準技術研究所(NIST)は危険識別、評価、緩和、モニタリングなどリスク管理に対する手続きであるRMFを規定した。米軍はNISTのRMFをすべての兵器体系に適用している。

国防省はRMFの適用の必要性を痛感し「韓国型保安制度TF」をつくり、韓国軍の環境に符合した韓国型RMFを開発した。 防衛産業の企業や関係機関からの意見聴取を終え、3月にRMF制度を発表する予定だ。

韓国国家情報院は、防衛産業企業にサイバーセキュリティーの強化を要請した(c)KOREA WAVE

防衛産業の企業は今後、兵器体系を開発する際、設計段階からセキュリティーの脅威を考慮してプロジェクトを進めなければならない。戦車、自走砲、ロケット、ドローンなどさまざまな武器体系にAIなど多様なソフトウェアが組み込まれているが、ハッカーは航空機、ドローン、潜水艦などを狙ったサイバー攻撃を増やしている。

ロシアとウクライナ、イスラエルとパレスチナの戦闘など、地政学的不確実性が高まり、兵器体系のサイバーセキュリティーを強化すべきだとの声も強まっている。

防衛産業の企業を狙ったサイバー攻撃も増加した。韓国の情報機関・国家情報院(国情院)とドイツの情報機関、連邦憲法擁護庁(BfV)は北朝鮮による防衛産業分野のサイバー攻撃被害を防止するため2月19日に合同で文書を発表した。

北朝鮮は、全世界を相手に防衛産業の先端技術を奪取し、兵器開発に悪用している。武器技術の獲得のみならず、韓国の防衛産業企業が開発した武器体系にサイバー攻撃を加えることも可能になる。

国防革新技術保安協会のキム・スンジュ会長(高麗大情報保護大学院教授)は「米政府は2015年からRMFを導入し、2019年から政策を強化した。合同で作戦を実施する他の国にも米国に準ずるサイバー保安水準を求め始めた」と説明した。

キム会長は「合同で作戦を実施するためには、両軍が武器体系を通じて情報を共有しなければならない。米軍のサイバー保安水準が高くても合同で作戦を遂行する国の保安水準が低ければ、米国まで脅威を受けるため、RMFを導入することになった」と話した。

一方、世界市場で韓国防衛産業の地位が高まり、サイバーセキュリティーの強化を求める声が強まった。キム会長は「武器体系は数千億ウォン規模の事業だが、検収項目にRMFが必須となりうる。あらかじめ備えなければ輸出にブレーキがかかる恐れがあり、制度を準備した」と話した。

(c)KOREA WAVE

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