中国のショッピングプラットフォーム「テム(Temu)」の急激な成長に世界が緊張している。5000ウォン(約550円)のスニーカー、7000ウォン(約770円)のジーンズを売るショッピングモールに、価格では太刀打ちできない。
韓国のプラットフォーム企業であるネカオ(ネイバー・カカオ)は、テムが攻撃的に広告を打っている影響で収益面で利益を得ている。一方で、今後、強力な競争相手になるという危機感も募らせている。
米国もテムの成長を阻止する法案を議論しており、韓国国内でも適切な対応が必要だと指摘されている。
モバイル・ビッグデータ企業のアイジーエーワークスによると、先月、テム・アプリケーションの新規インストール件数は222万1981件で、アプリ全体の中で1位を占めた。2位のクーパンプレー(96万8367件)との差も2倍を超える。テムは昨年10月以降、4カ月連続でインストール件数1位を記録している。
攻撃的な広告出稿が成長の秘けつの一つだ。低価格で送料無料・返品無料の特典などを大々的に広告している。世界中で、テムは広告界の大物としての地位を確立した。
最近、米国で最も高い広告単価を誇る米国「スーパーボウルナイト」で広告を6回も流した。30秒広告一つに約700万ドルであるため、数千万ドルを投資したものと見られる。
テムはネイバー、カカオでの広告も攻撃的だ。
ネイバーのチェ・スヨン代表は今月2日、実績発表コンファレンスコールで「中国直購プラットフォームは、競争相手であるだけでなく戦略的パートナーと見ることもできる。アリは数年前からネイバーとデータベース(DB)を連係し、テムもやはり国内市場で関心が大きくなるために広告量が増えると見ている」と話した。
カカオペイは、国内の簡易決済会社としては初めて、テムと決済サービスを連動させ、取引額の増加効果が出ている。現在、カカオペイとテムは本格的な協業に向けたマーケティングの議論を進めているという。
ただ、テムの成長を適切に牽制する必要性もある。生産と流通のすべての供給チェーンが中国に帰属する可能性があるためだ。韓国は消費だけして貿易赤字を拡大させることになる。
あるIT業界関係者は「テムで韓国の歴史と文化を歪曲する製品を販売しているため、過度な成長を牽制する必要性がある。実益は取りながら、国内プラットフォーム企業を保護する方法も用意しなければならない」と話した。
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