韓国大統領選を2カ月後に控え、与党「共に民主党」イ・ジェミョン(李在明)氏と保守系野党「国民の力」ユン・ソンヨル(尹錫悦)氏の両候補が11日、それぞれ記者会見などを開き、経済政策とビジョンを示した。イ氏は国家や政府の役割を強調する一方、ユン氏は市場や民間の役割に重点を置くなど、違いが鮮明になっている。
◇555成長公約
イ氏は新たな経済ビジョンを発表する「宣布式」を開いた。
科学技術・産業・教育・国土分野の「4大大転換」を推進し、韓国総合株価指数(KOSPI)5000達成、国民所得5万ドル、総合国力世界5位という「555成長公約」を打ち出すなど、「経済大統領」のイメージをアピールした。
また、経済政策で最も重要な三つを挙げるよう質問を受けて、イ氏は「とっさに思い浮かんだことを申し上げるならば、国家の役割拡大だと思う」と答えた。具体的には▽国家の役割拡大を通じたインフラ構築▽先端や基礎の科学技術分野への大々的な投資▽未来型人材の養成に政府が責任を持つ――を挙げた。
発表文でも「135兆ウォンのデジタル転換投資で200万の新しい雇用創出」「政府レベルでの統合輸出支援システムの強化」「政府の大々的な先行投資による民間企業の果敢な投資誘引と経済成長の牽引」など、政府の役割を繰り返し強調した。
イ氏の経済ブレーンのハ・ジュンギョン漢陽大教授は記者会見の場で「今の時代は国家の役割を拡大させる時代だということを念頭に置いたもの」と説明し、「国が不確実性を減らしてインフラに投資する。これにより、市場がより大きくなり、民間が自由に企業活動をできる。これを助けるという趣旨だ」と説明した。
◇「不公正と腐敗が蔓延」
ユン氏は新年記者会見で、韓国が直面する課題として、自由・民主主義と市場経済の危機を挙げたうえ、次のような認識を示した。
「表現の自由は制約され、市場の自由は侵害されている。経済常識に反する所得主導の成長で格差は深刻になり、でたらめな不動産政策によって資産の格差も悪化した。公正と常識が消えたところに不公正と腐敗が蔓延している」
ユン氏はムン・ジェイン(文在寅)政権との違いを問われ、「私は市場の原理と自然の道理を尊重する。またそうやって科学とデータに基づき意思決定を下す」と切り返した。
また、イ氏の経済政策との違いについて問われ、「私が言う自由・民主主義と市場経済は、すべての人がある程度、基礎的な経済能力と教育の恩恵を受けることを前提とした言葉だ。市場経済を通じて、私たちが公正にその経済を管理し、市場取引の危険を引き下げ、躍動的な市場にしなければならない」と述べた。
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