2024 年 11月 25日 (月)
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[KWレポート] いくら良くても美しくなければ売れない…世界はデザイン戦争中(1)

単なる見た目じゃない!市場競争力を高める力

2021年11月19日、中国・広州輸出入商品交易会展示館で開かれた「2021広州国際モーターショー」でジェネシスブランドのGV70電動化モデルが世界で初めて公開されている©news1

競争力はデザイン。たとえ性能が抜群でも、美しくなければ売れない――。AppleのiPhoneも始まりはデザインでした。「デザイン強国」への道のりで試行錯誤する韓国企業の姿を探りました。(シリーズ1/計3回)

現代自動車のプレミアムブランド「ジェネシス(GENESIS)」。2021年に入ってから10月までに、内需で11万2000台余り、輸出で5万3000台余り、合わせて16万5000台余りが売れた。特に輸出は119%増加した。

現代自動車を「大衆ブランド」と認識していた外国人が、ジェネシスのデザインが変身したあと、「高級ブランド」と認識を改めたことの影響が大きい。ジェネシスの2021年の全世界での販売台数は20万に達する見通しだ。車の価格を考えると、少なくとも10兆ウォン台の売り上げが期待できる。

デザインは、単に製品の外観を変える“審美的な機能”にとどまらない。消費者目線で商品そのものの価値を引き上げて、市場での競争力を高める力がある。

産業界や政府、デザイナーらの長年の努力により、韓国のデザイン力も成熟段階に差し掛かっている。「made in KOREA」の価値を高める韓国のデザイン産業は、経済的価値だけでも約130兆ウォンと推定される。

サムスン電子「Galaxy Z Flip3」製品イメージ/写真=サムスン電子提供©news1

◇デザイン上手な企業、株価も上がる

デザインに対する投資は、企業の収益を増やす最も効果的な戦略だ。

英デザイン協議会によると、企業がデザインに1ポンドを投資する際、売上は20ポンド増え、営業利益も4ポンド、輸出も5ポンドそれぞれ増えるという調査結果がある。

世界最大手コンサルティング・マッキンゼーが、デザイン活動の活発さによって300社を4段階区分し、5年間の売上を分析した結果、第1段階の企業は10%、第2は6.3%、第3は4.6%、第4は4%ずつ増加率を記録した。

このような現象は韓国国内でも確認されている。

2008~17年のKOSPI上場企業のうち、デザイン優秀企業72社とデザイン先進企業29社の時価総額は、それぞれ72.3%、110.6%増だった。同じ時期、KOSPI200(韓国の主要200社の株価で構成された総合株価指数)の時価総額の伸び率は34.6%にとどまっている。デザインに強い企業の成長の勢いが、上場企業の平均を大きく上回ったのだ。

中国では既に、デザインが「韓国製品の重要な競争力」と認識されている。韓国貿易協会が2018年、韓国の消費財を輸入する中国バイヤーを対象に調査した結果、回答者の18.7%が韓国製品の競争力要素として「デザイン」を挙げた。品質(17.4%)や取引企業の信頼度(16.5%)、ブランド(15.2%)よりも、デザインにさらに高い点数をつけたわけだ。

(つづく)

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