韓国の最高裁はこのほど、児童虐待犯罪の処罰などに関する特例法違反の罪に問われた小学校教師の上告審で、罰金500万ウォン(約55万円)を言い渡した原審を破棄し、ソウル東部地裁に差し戻した。保護者が子どものかばんに録音機をしのばせ、秘密裏に取得した録音ファイルは証拠として使用できないと判断した。
ソウルの小学校教師である被告は2018年3月、担任する3年生の学級に転校してきた児童に「学校に通ったことがない子みたい。勉強時間に本をめくることも習っていない」「救済不能だ」などと発言した。
子どもからこの話を聞いた親はかばんに録音機を入れて登校させ、録音された音声で発言が明らかになった。親は2018年4月に児童虐待を申告。教師は情緒的虐待をしたとして起訴された。
最高裁は「教師が授業時間中にした発言は教室内の児童を対象にしたもので、一般公衆や不特定多数に公開されたものではない」と指摘。被害児童の親がこっそり録音した授業時間中の発言は「公開されていない他人間の対話」に該当し、証拠能力が否定されると判断した。
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