ルーマニアが携帯用地対空誘導兵器「新弓」(Chiron)54機の導入を推進しているという。ルーマニアが新弓を導入すれば、国産兵器体系がルーマニアに輸出される初めての事例になるものと見られる。
ルーマニア政府は、フランスのMBDAだけが携帯用対空ミサイル購入の入札に参加すると、入札を取り消した後、LIGネクスワンと多国籍企業タレス(ThalesUK)に入札参加を要請したという。その後、ルーマニアはLIGネクスワンの新弓導入を積極的に推進しているという。ルーマニアは新弓54基の導入を推進しており、これは9000万ドル規模だという。
新弓は低高度に侵入する敵航空機と小型ヘリを撃墜させるのに適した兵器体系で、主に野戦軍部隊と軍事施設対空防御任務に使われる。最大射程距離は7キロだ。新弓は発射台、敵味方識別器(identification friend or foe)、昼夜照準器で構成される。2人1組で運用され、重さが15kgに過ぎず、携帯に便利だ。直接迎撃能力を備えているだけでなく、近接ヒューズが装着されており、目標物が半径1.5m以内に接近すれば自動爆発し、その破片で目標物を撃墜することもできる。
LIGネクスワンはこれとは別に昨年2月、ルーマニアの国営防衛産業企業である「ロマーム」(ROMARM)と対空ミサイル分野業務協約(MOU)を締結した経緯があり、ルーマニア誘導兵器事業の追加受注の可能性が取りざたされている。
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